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特集「ディーバ(大女優)」

2017年7月9日

特集「ディーバ15」ジュリアン・ムーア⑨
ラブ・アゲイン(2011年 コメディ映画)

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監督 グレン・フィカーラ

出演 スティーヴ・カレル/ジュリアン・ムーア/ライアン・ゴズリング/エマ・ストーン/マリサ・トメイ/ケヴィン・ベーコン

シネマ365日 No.2171

うますぎ・出来すぎ 

特集「ディーバ15」ジュリアン・ムーア

妻エミリー(ジュリアン・ムーア)からいきなり離婚を切り出された夫キャル(スティーヴ・カレル)が、女たらしのジェイコブ(ライアン・ゴズリング)から「モテ男」の手ほどきを受け変身、妻はでも夫に未練がある。ジェイコブはバーで知り合ったハンナ(エマ・ストーン)と付き合ううち本物の恋に落ちる。ハンナは学生結婚したエミリーとキャルが17歳で産んだ娘だ。ジェイコブが遊び人だと知っているキャルが、愛娘との結婚を許すはずがない。キャルの息子中学生のロビーは家に子守に来ているジェシカ(アナリー・ティプトン)が好きになるが、ジェシカの好きな男はキャル。エミリーの浮気の相手は同じ会社の会計士デヴィッド(ケヴィン・ベーコン)だ▼キャル夫婦は中年の倦怠期。キャルは妻の関心をひく努力を怠り、妻はダサくてドン臭い夫が鼻についている。会話といえば例えばこうだ。「先週残業だといったけど『トワイライト』を見に行ったの。最悪の映画だった。私たちの関係はいつからこんなに冷え切ったの」「君がデヴィッドと寝てからだ」なんだと? 悪いのは私だけか。エミリーはアタマにくる。バーでみっともない愚痴ばかりこぼすキャルにジェイコブが声をかける。「ダサい髪形でサイズの合わない上着を着て、氷の溶けたカクテルをすする。いっそ安楽死させようかと迷うよ。君が男らしさを取り戻すのに力を貸そう」。ジェイコブはいう「君が話した途端彼女はドン引きした。そりゃそうだ。アタマはスカスカ、目の下はタルタル。奥さんの浮気は君が男として自分を見失ったからだ」ジェイコブの特訓でキャルは見違えるばかり垢抜けた男に。自信たっぷり、女という女を各個撃破する▼キャルとエミリーは息子ロビーの保護者面談で久しぶりに会う。ところがロビーの担当教師が、キャルがバーで「お持ち帰り」した女性だった。キャルの情事の一部始終を知ったエミリーは愛想が尽き、デヴィッドとの交際を再開する。初めから終わりまで小気味よく、できすぎるくらいツボを押さえています。女優陣はジュリアンでなければ、あるいはエマ・ストーンでなければ、という役でもないし。この映画のあと、ジュリアンとスティーヴは「ハンズ・オブ・ラブ 手のひらの勇気」で、ライアンとエマは「ラ・ラ・ランド」で共演しました。だからというわけではないけど、この頃から息があっています。中学生の息子と、スタンフォード大で学ぶジェシカのエピソードなんかも入れて、完全ファミラブね。女優陣に比べ、本作は男優陣圧勝です。スティーヴ・カレルのうざくて暑苦しい中年男、ライアン・ゴズリングの、父親の遺産でセレブ生活を手に入れ、今はバーで女を口説くチャラ男、そして諸悪の根源デヴィッドのケヴィン・ベーコン▼デヴィッドのセリフのひとつ。会社でエミリーに「きのう、僕にあったら廊下を逆方向に逃げただろ。猛スピードで」「元陸上部よ」。あるいは中学の卒業式でキャル親父が息子のスピーチを横取りし、15歳から始まった自分たちの恋愛・結婚生活を総括、夫婦の愛の再出発を誓うなど、あざといくらい笑いと涙を取りに来る。押し付けがましいけど、ここは素直に笑っちゃいましょう、感動しちゃいましょうって、いうしかないね(笑)▼子守の女子大生のアナリー・ティプトンと、ベテランのマリサ・トメイが光っていました。ジュリアンやエマに挟まれ善戦です。男優陣ではケヴィン・ベーコンね。出番は少ないのだけど、あの細面でニヤっとしながら登場すると「あら、久しぶりね」といいたくなる。たくさん出演作品がありすぎて「ケヴィン・ベーコン・ゲーム」ができたくらい。強烈な悪役を演じることが多く、名実ともに性格俳優のトップです。三つ年上の姉さん女房、キーラ・セジウィックとは連れ添って30年、ハリウッドでは希少種。

 

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