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特集「ディーバ(大女優)」

2017年7月12日

特集「ディーバ15」ジュリアン・ムーア⑫
妹の恋人(下)(1993年 青春映画)

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監督 ジェレマイア・S・チェチェック

出演 ジョニー・デップ/ジュリアン・ムーア/メアリー・スチュアート・マスターソン/アイダン・クイン

シネマ365日 No.2174

一瞬のジュリアン 

特集「ディーバ15」ジュリアン・ムーア

子供の頃火事で両親を亡くした兄妹が、片田舎で暮らしている。兄がベニー(アイダン・クイン)、妹がジューン(メアリー・スチュアート・マスターソン)だ。妹は事件後、神経を病み、精神の安定を欠く。兄は12年間妹の面倒を見てきた。かかりつけの精神科医は整った施設に昼間だけでも預けてはどうかと勧めるが、兄は妹をどこにもやろうとしない。友人たちは、妹の世話にかかりきりで恋人もいないベニーに「自分の人生も大事にしろ」と忠告する。ポーカーに負けた兄妹は、まかした相手マイクの家に居候しているサムを引き取る羽目になる。サムは26歳。読み書きができず、ほとんど口をきかない、バスター・キートンの格好をした風変わりな青年だった▼サムをレストランに連れて行った兄妹は、そこで2個のパンに1本ずつフォークを突き刺してチャップリンのドタ靴のダンスを真似、客の注文の皿を目にも止まらぬ早業で取り替えるサムに呆れる。そこへ「仕事のじゃまはやめて」鋭い制止の声。ウェイトレスのルーシー(ジュリアン・ムーア)だ。映画の中盤近くに登場します。ルーシーを見るなりサムは「君か! 高校生連続殺人鬼のルーシー・マレネックだ」「見たの?」古傷に触られたようなルーシー。サムはすかさずルーシーのセリフをまねる。「誰かあたしの恋人を見た?右の頬っぺたにホクロが、ブラッド、お願い、死なないで、あたしはどうやって生きていくの」ルーシーは苦笑する。かつて女優を夢見たが破れ、この田舎町に流れて来た。今はウェイトレスと自分が住むアパートの管理人をやって身すぎ、世すぎをしている地味キャラだ。ベニーはサムのおかげで知り合ったルーシーと親しくなる。しかし妹ジューンが心配で、肝心なときに家に帰ろうとするのでルーシーは興ざめ、二人の仲は少しも熱くならない。サムはジューンと意気投合、アイロンでトーストを焼いたり、テニスのラケットでポテトを作ったり、一連のジョニデ映画の前哨戦のようなシーンが多発します。もともとこう言うファンタジーキャラなのですね▼物語はサムとジューンが結ばれ、兄貴とルーシーの恋の始まりでハッピーエンド。心温まる青春映画です。ジュリアン・ムーアのどこがいいのかというと、初めてスクリーンに顔を見せたときの表情です。33歳という年齢相応に落ち着いているのと同時に、鋭さが際立っている。彼女やジョディ・フォスター、メリル・ストリープは「整形しない派」ですが、自然なエイジングで、美しさをさらに洗練させている。そう、要するにこれなのよ、ジュリアン・ムーアについて一番言いたいのは。自然なの、自然。何をするにしても無理な姿勢が感じられない。オファーされた役にするっと入り込み、するっと演じる。ゴシップもない。一度離婚したけどその後は穏やかな家庭生活を送り、娘は高身長で脚の長い美人だ。努力も、流した汗も感じさせない。クリステン・スチュワートが「アリスのままで」の出演を、ジュリアンと共演できるからという理由で受けていました。「憧れていた。ジュリアンってとても率直な人で言葉に説得力があるのよ」らしいです。クリステンはいま伸び盛りの女優ですね。ジョディ・フォスターとか、ジュリアン・ムーアとか、「自分に無理しない派」と気脈が通じるようです。本作はジュリアンの映画にしては初期の初期で、まったく大した役ではないのだけど、ジュリアンの一瞬の表情に「だれだ、この女優は!」ハッとするものがあります。

 

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