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特集「偏愛力」

2017年7月28日

特集「偏愛力2」④
ザ・ギフト(2016年 サスペンス映画)

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監督 ジョエル・エドガートン

出演 ジョエル・エドガートン/レベッカ・ホール/ジェイソン・ベイトマン

シネマ365日 No.2190

人はいじめるな 

シネマ365日Ⅵ 特集「偏愛力2」

ナイフもゾンビも斧も出てこず、血が流れるわけでもないけど、質のいいホラーです。エリートビジネスマンのサイモン(ジェイソン・ベイトマン)と妻ロビン(レベッカ・ホール)はある日、サイモンの高校時代の同級生というゴードン(ジョエル・エドガートン)に出会う。「やあ、やあ」と普通の挨拶でその場は別れる。ゴードンから引っ越し祝いのワインが届けられた。ロビンは夫の口吻の端々にゴードンへの侮りを感じる。パッとしない奴だったとか、成績も悪かったとか、変わり者で友達もいなかったとか、ま、期待されなかった生徒だということですね。次のギフトは鯉だった。新居の池に鯉が放されていた。露骨に嫌がる夫に、ロビンはとりなす。ゴードンの出現に夫は嫌悪を催しているが、妻はなぜかわからない▼ゴードンが自宅に招待してくれた。行ったら豪邸だ。あのショボイ男には不釣り合い。サイモンは勝手に家の中を探し、女性の服や子供部屋がある、あいつは結婚しているのだと妻にいう。サイモンは、妻は出て行って荷物だけまだある、この豪邸は妻の実家が買ってくれた、とつじつまを合わせるが、みな嘘っぱちで、飼い犬の失踪まで夫はゴードンのせいにして警察に届けるが、警察も証拠のないことでまともな捜査はしない。ロビンは家の中にゴードンの気配を感じ(彼女は在宅勤務)不安と恐怖のあまり抗鬱剤を服用するようになり、失神したことがある。ゴードンから謝罪の手紙が来て、その中に、過去の事件は「水に流そう」とあった。妻は夫に問いただし、何があったか知らないがあなたが謝ればゴードンは気がすむはず、と勧める。ゴードンは気色の悪いところはあるが、夫の嫌い方も異常であるとロビンは思っている。夫が隠れてゴードンの身元調査をさせていることがわかった。報告によれば「高校を退学、不法侵入、未成年の誘拐未遂、軍を除隊、更生施設入り、つまりドロップアウトだ▼夫のゴードン嫌いの理由がよくわからないロビンは、高校時代の旧友クレッグに聞いた。「ゴードンの身に起きたことはひどかった。無から事件が生まれた。ゴードンが性的虐待を受けたことは全部サイモンの作り話だ。ゴードンが男と車にいたからゲイだと言いふらした」「なぜそんなことを?」「そういうやつなのだ。意地の悪いイジメっ子で、大人しいゴードンを標的にした。定着した偏見は人を破滅に追い込む。真実を話せたのはサイモンなのに何もしなかった。ゴードンの父親は息子がゲイだと聞いて、死ぬほど暴行した。それから彼は町から姿を消した」ひどい男だ。おまけに同僚を蹴落とし、昇任したものの報告書類が偽造だとわかって解雇された。ロビンは妊娠、男の子を出産したが「あなたとあの家には帰りたくない」と通達する。まあそうなるでしょうね▼ゴードンが病院へお祝いの品を持ってやってきた。サイモンが家で開けると、家の鍵とDVDが。映っているのは失神した妻と、彼女のファスナーを下ろすゴードンだ。サイモンは恐怖で震え上がる。生まれた子はゴードンの子か。ゴードンは「触れていない」というが、そんなこと分かるはずがない。「赤ん坊の顔を見ろ。目を見たらわかる」と謎の言葉を残して去る▼こうなると、この男たち、どっちもどっちね〜。サイテー男にサイコ男だわ。DNA鑑定でも血液型でも、父親調べは簡単にできるのに、「顔を見ろ」とか「目を見たらわかる」とか、わざといやらしいこというのね。生まれたばっかりのくしゃくしゃの子の、目だの、顔だの、はっきりわかるはず、ないでしょ。そして疑惑は将来にわたってついて回るのよ。どっちの子かわからないまま映画はエンド。ゴードンがサイモンに会ったのは偶然かしら。人生を破壊した男に卒業以来、目を離さなかったのかも。引っ越してきたチャンスを見計らい、復讐のギフトに着手したのか。どっちにしても人に意地悪はするものじゃないのよ。

 

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