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特集「最高のビッチ」

2017年8月2日

特集「最高のビッチ3」②アリシア・ヴィキャンデル
エクス・マキナ(2016年 SF・サスペンス映画)

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監督 アレックス・ガーランド

出演 アリシア・ヴィキャンデル/ソノヤ・ミズノ/オスカー・アイザック

シネマ365日 No.2195

成熟の拒否。美しいAI

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まいったな、この美少女AIのエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)には(笑)。プログラマーのケイレブは、世界一の検索エンジンで全ネット検索の94%が使っているIT企業、ブルーブックで働いています。ある日、抽選で社長ネイサン(オスカー・アイザック)の自宅に1週間訪問できる権利を得ました。自宅はヘリコプターで2時間飛んでも敷地内という、広大な自然の中にある。洒落た建築は住居ではなく社長の研究施設で、月まで届くケーブルが壁に内蔵されています。ケイレブは守秘義務にサインし、人工知能にチューリングテストを行うことになります。現れたのがエヴァ。手足のみが皮膚で覆われただけで、体幹部は機械の内部構造が透けて見える。ずば抜けたエヴァの知能・言語能力にかかると、相手は本物の人間だとすぐ間違えてしまうため、機械の露出部分をわざと作ってあるそうです▼社長の家にはもう一人、キョウコ(ソノヤ・ミズノ)という女性がいて、彼女もロボットだと後でわかります。エヴァとケイレブは面談のたび親密になっていき、ネイサンは嘘つきだから信用してはいけないとエヴァはケイレブに忠告します。ネイサンの目的は人工知能が果たして意識をもてるのかどうかを確かめるためで、ヒゲモジャで暇があればダンベルで筋肉を鍛えるネイサンは、どう見てもクレージーな親父。人っ子ひとりいない隔絶した環境で、普通の神経ならおかしくなってしまう。実はエヴァもそうなのです。彼女の希望は建物の外に出て、賑やかな交差点に立ちたい…。とにかくこの住居には謎が多すぎる。エヴァと打ち解けてきたケイレブは、エヴァの前に試作品がいくつもあり、秘密を守るためネイサンが全員殺したと聞かされる。▼エヴァも目的が終われば初期化される。部屋中で何が話されているか全部ネイサンに筒抜け。「哀れみを覚えるのかね」と逆に訊かれる。キョウコの部屋に行くとクローゼットの中には試作品のAIが何体もあった。ケイレブの滞在期間は1週間。エヴァは一緒に行きたいと頼む。ワンピースを着たり、ウィッグをつけたりで、機械の部分を覆うとどう見ても美しい人間の少女。ネイサンは「エヴァはセックスもできる。センサーが集中した穴が股間にある。うまくやれば彼女に快感を与えられる」なんてケイレブに吹き込んでいるから、ケイレブだってその気にならない方がおかしい。エヴァは「わたしに惹かれている素振りがある。わたしの目や唇を見るとき微小表情がある。ひとりのときに私を思う?」と訊いてくるし、要はだんだん人間の女性に近くなっているのです▼いよいよ脱出決行。エヴァとケイレブの行動に激怒したネイサンがエヴァの腕を叩き落とし、ケイレブに強烈なパンチ、肉体力では敵いそうもない。そのとき後ろからネイサンを刺したのがキョウコなのだ。ネイサンはよろよろ。すかさずエヴァが前からお腹をブッスリ。思うにキョウコもエヴァも自分の意識と思考をとっくに持っていたのだけど、ネイサンを殺して脱出するチャンスが欲しかったのね。キョウコはネイサンのセックスの相手、エラソーな命令に憤怒を隠していた、エヴァはとっくにネイサンを追い越していた(ト思われる)知能を隠していた。情報を小出しにしてケイレブを取り込み、ネイサンを始末して憧れの新天地へ。かわいそうにキョウコは破壊されるのだけど、キョウコという名前からして明らかに日本人でしょう、この扱い酷いわ▼エヴァは用済みのケイレブを閉じ込めたままヘリコプターでバイバイ。望み通り賑やかな街角の交差点に立った。最後に笑うのは女性AIか(笑)。人工頭脳の到来は避けられない、いつかAIは人間を原始人のようにみなし、人類は絶滅するだろうというわけね。それにしても気に入らないと認定した男をあっさり殺してしまうとは、まさかネイサンがプログラムしたとは思えないし、エヴァとキョウコが自分で「意識と感情」を作り出したのね、きっと。最高のビッチだわ。キョウコは典型的なアジアン・ビューティ、アリシアは永遠に成熟を拒否したAIのエヴァにぴったりでした。そうそうエクス・マキナとはラテン語で「機械仕掛けの神」です。

 

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