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特集「最高のビッチ」

2017年8月3日

特集「最高のビッチ3」③ジャンヌ・モロー
天使の入江(上)(2017年 恋愛映画)

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監督 ジャック・ドゥミ

出演 ジャンヌ・モロー/クロード・マン

シネマ365日 No.2196

賭けは私の宗教よ さらば、ジャンヌ・モロー(上)

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ついにこの人にたどり着きました。ジャンヌ・モローです。本作は1962年製作ですが、日本では未公開、2017年デジタル化によって公開に至りました。ジャック・ドゥミという素直な監督にかかれば、ジャンヌ・モローも素直なビッチになるのではないか、なってしまうのではないか、という妙な不安があったのですけど、やっぱりジャンヌはジャンヌ、ドゥミはドゥミで、どっちも存分に自分の得意技で勝負したいい映画でした。得意技? ジャンヌはファムファタールの権化として、ドゥミは愛と詩情の人生賛歌としてこの映画を仕上げています。80分足らずの短い尺ですが目が離せません。タイトルの「天使の入江」とはカジノが立ち並ぶニースの海岸通りです。ドゥミの卓抜なオープニングは、今や伝説のように語り継がれていますが、本作もわずか数秒のそれがショッキングでドラマチックです。ここは、女優ジャンヌ・モローとはかくのごとき価値なのだ、というドゥミの、映像による主張です▼ギャンブル依存症に陥り、人生を棒に振った女ジャッキーをジャンヌが、彼女に恋し、ともに再出発しようという青年ジャンをクロード・マンが演じます。ジャンは実直な銀行マン。同僚に誘われギャンブルに行き、一時間で給料の半年分を稼ぐ。ジャンはバカンスを取りニースのカジノに。謹厳な時計修理職人の父親は「賭博師はごめんだ。出て行け」と勘当する。自分の殻を破るのだ、とジャンは意気込んでいる。ルーレットの前に座るブロンドのジャッキーに出会う。夫の懇願にもかかわらずギャンブルに熱中し離婚。息子とは週に一回会える。ポツポツそんなことを話した。ボロ負けした日は「二度としない」と誓うが口だけ。「軽率な自分に腹がたつ」と言いながらやめられない。ホテル代もなく駅のベンチで寝るというジャッキーを、ジャンは自分のホテルに泊まらせてやる▼翌朝二人は別れる。午後は海岸にいるといったジャンを探しに来る。「パリに待っている人は?」「誰もいない」「仕事は?」「銀行勤めだ」「結婚する気は?」「一度婚約したけど怖くなってやめた。将来が見えた。波風立たない平穏で無難な生活」。ジャッキーは女友だちに借金した金で「少し賭けてくるわ。10万稼いだらパリに帰るわ。ここでたるんだ肉体を見ているより、賭博師を見ていたい」。そこで別れるつもりがジャンはカジノまでジャッキーを追っていく。セレブ男に色目を使っているジャッキーに「尻軽女。娼婦と同じだ。客引きの才能があるな。金のためならなんでもやるのだ」、ジャッキーは聞き流し「黙って」。そしてルーレット台を凝視する。凄まじい目力である。ふたりは勝ちまくる。「崖っぷちのドンデン返しね。モンテカルロに行きましょう。いますぐ」車を買い、ドレスにタキシードを用意し、豪華ホテル「ホテル・ド・パリ」に横付けする。「部屋はスイートに。バルコニー付きで」。海を見晴らす部屋で「贅沢は好きか?」とジャン。ここでいうジャッキーのギャンブル哲学はこうだ「贅沢できなくても平気よ。お金のために賭けをやるのじゃない。十分あってもやるわ。賭けの魅力は贅沢と貧困の両方が味わえること。それに数字や偶然の神秘がある。もし数字が神様の思し召しなら、私は信者よ。カジノに初めて入ったとき、教会と同じ感動を覚えた。私にとって賭けは宗教よ。お金とは関係ない」「君はいいとしても夫や友人はどうなのだ」「この情熱のおかげで私は生きていられるの。誰にも奪う権利はないわ」「君にとって僕は机か椅子に見えるのか。心はどうでもいいのか」「ただの賭け仲間よ。なぜあなたを犬のように連れ回したかわかる? 幸運をもたらすからよ」ジャンはアタマにきて女を張りとばす。

 

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