女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「ダンディズム-dandyism-」

2017年8月14日

特集「ダンディズム4」③ビリー・ボブ・ソーントン
狂っちゃいないぜ(2000年 恋愛映画)

Pocket
LINEで送る

監督 マイク・ニューエル

出演 ジョン・キューザック/ビリー・ボブ・ソーントン/ケイト・ブランシェット/アンジェリーナ・ジョリー

シネマ365日 No.2207

甘くない男 

★12-15_ダンディズム4-

このちょいワル不良親父のもてること。映画は空を仕切る航空管制官のお話。ニューヨークの航空管制局の空域は超過密だ。一日の管制便数はなんと7000便。ケネディ、ニューアーク、ラガーディアの3空港がのり入れ、航空管制官は端末レーダー着陸誘導システムの前に座り、安全とスピードを同時に捌きながら空の渋滞を処理する。ニック(ジョン・キューザック)はナンバー1を自認していたが、地方から転職してきたすご腕管制官ラッセル(ビリー・ボブ・ソーントン)に強烈なライバル意識を燃やす。ニックの女房コニーがケイト・ブランシェット、ラッセルの女房メアリーがアンジェリーナ・ジョリーだ。コニーは専業主婦で子供が二人。「もう少し知的な刺激が欲しいのよ」と夫に訴えている▼パーティに招かれたニック夫婦。ラッセルも来ている。「あの美女は誰だ」と管制官たちが目をそばだてた女性がメアリー。こともなげにラッセルが「俺の女房だ」。メアリーは満遍なく挨拶をすませ、義理は果たしたとばかりラッセルのそばに近づき、傍目もはばからず密着して濃厚なキスを。男の耳元で「帰りましょ」と囁く。コニーはラッセルが「興味深いわ」と夫に告げる。スーパーで泣いているメアリーに会ったニックはイタリア料理に誘い、ラッセルの留守中に上がりこんでベッドイン。メアリーは落ち着いて「今夜のことはこれきりに。彼を裏切ったのは初めて。独りになりたくなかったし、彼は孤独が好きだから」。泣いていた理由は「いつも一緒にいた植物が死んだから」。どこか捉えどころのない女です。ニックの手には余る。ラッセルだけが御せる、そんな感じで話は進みます。マイク・ニューエル監督はケンブリッジの出身。「フォー・ウェディング」で英国アカデミー賞・セザール賞を受賞。「モナリザ・スマイル」「これらの時代の愛」などの佳品を発表、タルミのない引き締まった展開で惹きつけてきました。本作もそう。主人公のラッセルは出世に欲はないが、責任感は人一倍。目立たないところで厳しい任務を果たし、それを言いふらしたりしないクールな男▼彼はメアリーとニックの情事を知っても泰然。「メアリーを愛している。俺は40歳で19歳の若くて美しい女を妻にした。そのことの危険性は承知している。俺も他人の女房とは寝た。男は罪深い。お前の女房も綺麗な女だ。気が気じゃないな」。案の定コニーは「ラッセルと私、同じことをしたのよ。あちこちの部屋で。転げ回って、ヘルメットを被ればよかった」そういって家を出て行った。ニックはどん底である。1日30分のうちに二度もミスリードし、あと一回やればクビ。ラッセルに怒鳴る。「お前が来るまで俺はナンバー1だった。それなのに自分を見失ってしまった。何があろうと冷静だったのに。女房を取り戻したい。俺自身も」ラッセル「俺もお前もバカをやった。しかし俺の結婚は救われ、お前は破局だ。解決法はアタマで考えても見つからない。解き放つのだ。自分を。やり直したいか。こい」で、ニックに何をさせたのかといえば、川に飛び込む。着陸する飛行機の真下にいて、風圧で吹き飛ばされる…▼少なくともケイト・ブランシェットとアンジーが惚れる男であるためには、どんな男の肖像がふさわしいのか。本作によれば、まず、ラッセルは甘くない。バイクを走らせ独りになることがある。孤独が好きだ。独りになることで、女房を大事にすることとのバランスを取っている。ニックは結婚生活に隙間を感じながら、ラブラブの夫を演じることに疲れ疲労に陥った。愛する方法とは全て「自分なり」でいいが、ラッセルという中年男の距離の取り方がじつに上手。映画の共演が元でアンジーはソーントンと結婚し、ケイトは「バンディッシュ」で再度共演しました。

 

Pocket
LINEで送る