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特集「タイムレスな女優」

2017年8月24日

特集「タイムレスな女優2」⑥ドリュー・バリモア1
マイ・ベスト・フレンド(上)(2016年 ヒューマン映画)

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監督 キャサリン・ハードウィック

出演 ドリュー・バリモア/トニ・コレット

シネマ365日 No.2217

親友のラブストーリー 

★23-27_タイムレスな女優2-2

ドリュー・バリモアはいつの間にこんなにいい女優になったのだろう、という言い方は、失礼には当たらないと思う。7歳で「E.T」に出演し、ブレイクしたのが裏目に出て、学校ではいじめにあい、すっかりグレてドラッグやったり。でも彼女のえらいところは立ち直りの早さね。失敗は誰でもするけど、すみやかに肥やしにするかどうかでサクセスは決まるのよ。30年以上、浮き沈みの激しい映画業界でプロデューサーをやり、監督をやり、彼女の幅広いキャリアはピカイチよ。ある程度できる女優になると、猫も杓子も監督をやりたがるわ。でも手はつけたけどやり抜いたってこと、あまり聞かない。監督なんて誰でも手を出すものじゃないと思う。ドリューの場合、34歳で「ローラ・ガールズ・ダイアリー」を撮って、興収もまあマア、損はなかったのかな(笑)▼それより、監督なんか映画人生の一里塚って感じで、さっさと本道に戻っている。一流と呼ばれる人はみな、余人の及ばぬジャンルを持っています。ドリューの場合「女同士の友情」ね。「ボディヒート」でゲイをやり、「バッド・ガールズ」はガンマン女子4人組、刑務所で出産したドリューを、女友だちふたりが温かく迎える「ボーイズ・オン・ザ・サイド」—泣かせましたよ。プロデュースして大成功させたのが「チャーリーズ・エンジェル」3部作。彼女の映画ビジネスのカンって冴えているわ。さすがバリモア家の嫡流ね。本作の監督は「トワイライト初恋」のキャサリン・ハードウィック。原作・脚色がモーウェナ・バンクス。おまけに共演がトニ・コレットです。トニの代表作は多いけれど、1シーンの出演で印象深かったのが「めぐりあう時間たち」ね。ジュリアン・ムーア扮するローラの親友、子宮ガンを病む主婦キティだ。子供を産めない女は一人前じゃないと嘆く。ジュリアンが抱きしめてキスする。それも唇に。あまり情熱的なキスでキティは戸惑い、逃げるように帰ってしまう。ジュリアンは受け入れられなかった悲しみに、息子を家に置いたままホテルに向かい、自殺しようとする▼「リトル・ミス・サンシャイン」のお母さんもよかったわ。娘はメガネ女子のぽっちゃり型。とてもミスコンの柄じゃないけど、娘がやりたいなら頑張って出場しなさいっていう肝っ玉母さん。映画は高い評価を受け作品賞を含む4部門でオスカーにノミネート、助演男優賞(アラン・アーキン)、脚本賞を受賞しました。であるからして、本作は腕に覚えのある最強の女たちが作った映画です。少女時代からずっと、いつも一緒のミリー(トニ・コレット)とジェス(ドリュー・バリモア)。奔放なミリーに堅実なジェス。どっちも結婚し幸福な家庭を持った。ミリーは息子と娘が。ジェスの悩みは子供がいないこと。でもふたりは明るく家族ぐるみの交際を続ける。ミリーの乳がんがわかった。抗がん剤の副作用に耐え、ミリーは家族に、ジェスに、仲のよくなかった母親にも支えられ、難局を乗り切った。かに見えたが、担当医は両方の乳房切除を勧める。手術後のミリーは酒に溺れ、夫が心を込めて催したサプライズ・パーティも蹴り、ジェスを伴い「嵐が丘」の荒野へ400キロをタクシーで走らせる。ジェスは念願の妊娠をミリーに打ち明けた▼やけくそのミリーは男をベッドに誘う。ジェスはそんなミリーに失望しひとり家に戻る。あとを追ってミリーも帰る。ジェスは出産を迎えた。ミリーはガンの脳転移がわかった。毛髪が抜けたミリーは思い切ってスキンヘッドにする。似合うわよ、とジェスに励まされるが体は急速に衰弱していく。陣痛が始まり、パニックに陥ったジェスはケータイでミリーに叫ぶ。助けを求めるジェスの声を聞くなり、ミリーは力を振り絞って身体中の管をはずす。「ママ、ジェスの出産に立ち会いたい」「わかった。行くわよ!」テレビ女優のママが白衣を着て医師に化け、車椅子を押して病院に駆けつけるのだ。ベッドのそばに来たミリーは「ジェス、もう産んでいいわよ」「来たのね」「もちろん」。無事出産を終えたジェスはミリーの病床に付き添う。ミリーが話しかける。「なあに?」「ウォッカトニック」「飲みたいの?」「いいえ。先に注文しとく。天国のバーに」「大好きよ、ミリー」彼女の隣で少し眠った。目が覚めた。ミリーは息を引き取っていた。ジェスは眠るようなその顔に微笑む。ジャクリーン・ビセットがミリーの母親役で出演しています。ハッピー・エンドではありませんが、しみじみとした後味のいい映画です。

 

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