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特集「意外な代表作」

2017年9月6日

特集「意外な代表作」⑥ シャロン・ストーン
欲情の扉(1988年 日本未公開)

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監督 ドン・シャープ

出演 シャロン・ストーン

シネマ365日 No.2230

子供のドラゴン 

★06-10_意外な代表作

シャロン・ストーンが30歳。本作の2年後「トータル・リコール」で、さらにその2年後、「氷の微笑」でトップ女優となる前の、シャロン雌伏のときの映画です。「欲情の扉」なんて出鱈目な放題でして、内容は地味目この上ない、というか、よくある「禁断の話」というか、シャロンのアメリカ人の娘が、母親の遺言を渡しにロンドンに来る、渡す相手は大事業家の社長。彼は母親の名前にハッとするが「お人違いです」とあしらう。シャロンは大邸宅への入り方を知らず、塀を乗り越え、すんでのところを猛犬に被られそうになったところをマイケルという青年に助けられた。彼は大富豪の息子で跡取りである。彼だけでなく、彼の親友というアラブの青年(当然のことのようにセレブの設定)もシャロンに一目惚れ。シャロン一人がモテまくる…そういうバカバカしい前提でスタートします▼兄妹だから結婚できない事情がわかり、泣く泣くロンドンとニューヨークに引き裂かれるはずだったところ、老練な執事が、探偵社の調査を鵜呑みにせず、異なる情報も目を通しては、と進言。アラブの青年が新しい調書を読んだ、なんと、シャロンは赤ん坊の時、現在の父母の養子になった、したがって兄妹とはならない、めでたしめでたしのハッピーエンドです。深い掘り下げも全然なく、予定調和そのものですが、このころのシャロンが実にあどけない。30歳にしてあどけないはないと思われますが、もともとシャロンとは美人である。インスタグラムに自宅のプールでビキニなった写真を掲載し、驚愕させたのがついこの間58歳のとき。57歳でフルヌードになってこれまた世間を驚倒させた。幾つになっても話題に事欠かない人ですが、プールサイドの映像とパパラッチされた映像にギャップがありすぎるという記事がまた出て、自宅のプールサイドは修正に違いないとか、もうどうでもええやん!▼でもね、ケイト・ブランシェットとか、ジョディ・フォスターとか、エヴァ・グリーンとか、オードリー・ヘップバーンとか、ジュリアン・ムーアとか、デビューもしくは駆け出しの頃の作品を見ていて思うのは、下手とかうまいとかではなく、経験があるとかないとかではなく、素質の問題ですらなく、彼女らはそのあたりからほぼ完成されているのよね。これじゃ世間に知られるのは時間の問題、とでもいうような完成度の高さがあるの。我らがシャロンにしてもそうですよ。容貌は幼いけど、目線の座った未来のビッチは、すでにデンとしている。ドレスのセンスも目をつぶりたくなるほど趣味が悪いし、全然似合ってもいないのに、堂々としているのです。58歳になっても60歳になっても、スズメ百まで、ビキニでもヌードでもどうぞ、と言わなくては仕方ないような肝の座り方が明らかです。つまり一流の女優というのは練習とか訓練とか、慣れとか勉強とかいうのが普通のレベルではないのではないか。ちょっとコードの外れた所で生まれるのではないか。ほとんどは気質とか性格とかいうもので決まるのではないか▼先述した現役の皆さんは自分の日常のトレーニングや役作りについてなど、爪の先ほども汗を流す自分を垣間見せていませんが、キャサリン・ヘプバーンは自伝に正直に書いています「自分の荷車は自分で引き、自分のボートは自分で漕がない限り前に進まない、私たちは匙を投げない、そこへ行くといったら行く、山の頂上に登るといったら登るって見せるのだ、やりかけたことは最後までやる気性だった、子供の時からそういうふうにしつけられてきた、キャス、何も考えちゃダメ、ひたすら続けるしかないのよ」彼女はそう自分を励ます。恐るべきキャサリン。前人未到のアカデミー賞主演女優賞4度も鉄板ヘプバーンならでは、の偉業でした。シャロンはどうだろう。これまた正直に鏡に映った自分を見て泣いたと…そして一念発起、体力と体型の猛烈な自己管理に徹した。やっぱりフツーじゃないのだよ、彼女らは。そういう現在からこの映画を見ると、芝居は下手なりに、熱がある。スピリットがある。批判とか悪口をむしゃむしゃ食べてしまいそうな勢いがあります。火の精サラマンダー、というより子供のドラゴンみたいで、可愛かったですよ。

 

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