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特集「B級映画に愛をこめて」

2017年9月21日

特集「B級映画に愛を込めて7」③
プロムナイト(1981年 ホラー映画)

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監督 ポール・リンチ

出演 レスリー・ニールセン/ジェイミー・リー・カーティス

シネマ365日 No.2245

踊るカーティス

★19-22_B級映画に愛をこめて7-1

絶叫クイーンの異名をとったジェイミー・リー・カーティスが「ハロウィン」の2年後22歳のときの作品です。「ハロウィン」は30万ドルの制作費で、世界で7000万ドル、独立系としては異例の大ヒットとなりました。監督がジョン・カーペンター。実に多才な人で、音楽も作曲すれば歌も歌う、SFのクリーチャーは斬新、俳優をやらないということを除けば、それこそクリント・イーストウッドみたいな人です。「ザ・フォッグ」「光る眼」「監禁病棟」など、いずれも緻密で繊細な感性で作られた良質のホラーでした。本作のカーティスは「絶叫」がありません。全体におとなしいできになっています。生首ゴロンのシーンくらいですね。だからジェイソンになれたホラーを期待すると、まだるっこいかもしれない。冒頭の少女の事故死が本作のベースを作りますが、なかなか本番というか、本筋というか、渦中に入らない▼でもじっくりした煮込みが功を奏してきます。きますけれど、映画全体が穏やかなので、ホラーというより探偵モノに近い。簡単にいうと、10年前6歳で事故死した女の子ロビンは、子供たちのいたずらが元で窓から墜落させられた、4人の子供たちは絶対に秘密にしていようと誓った。高校を卒業することになり、恒例プロムのパーティでクイーンに選ばれたのはキム(ジェイミー・リー・カーティス)とボーイフレンドのニック。ところがロビンを死なせた4人組が一人ずつ殺されるのだ。ロビンの父親(レスリー・ニールセン)は高校の校長だ。ロビンを失った悲しみで妻はウツに。キムにとってはロビンと双子の弟アレックスがいる。この映画がなんとなく物足りないのは、要するに娘を殺された家族の割にはあまり傷が見えないのよ。校長は穏やかな紳士、キムは美しく成長し、プロムの女王、アレックスは姉思いで、姉が嫌がらせを受けていると喧嘩も辞さない。「平和やなあ〜」と思いながら見ていたら、やっと素行不良で退校処分の生徒が現れるとか、脅しの電話が過去の4人組の一人ずつに入るとか、どうやら何かが起こる気配が生じます▼黒いマスクで顔を覆った犯人が斧を片手に女の子を追い詰める。ですが、講堂か体育館ではパーティの真っ最中、大勢の生徒職員が集まっているわけね。女の子は必死になって逃げようとするのだけど、ドアは頑丈に鎖が掛かっていて開かない、走っても走っても、校舎の外に出られない。この学校、巨大ドームかどこかの大陸にでも建っているみたいだな。女の子は二階へ駆け上る。窓は閉まったまま。たたき割れるだろ、ガラスくらい。それに斧で頭蓋骨カチ割られるか、心臓ザクッとやられることを考えたら、飛び降りて足を折るほうがマシでしょう。犯人はじわじわ追い詰める。割とドンくさいやつでして、机につまずいたり、ぶつかったり、女の子の逃げ足に追いつかないのよ。気合いいれて走れば楽勝のはずなのに、いつまでも隠れたり見つかったりしているのね。どうにかしてくれと思うころにシーン転換、覆面男は斧を持って、プロム会場の楽屋裏に姿を現す▼例えば「キャリー」だとここでクライマックスです。キャリーの念力が血の雨を降らせる。何がいいたいかというと、血の雨でなくてもいいから、なるほどこうなる必然があったのだと納得したいのよ、わたしは。それが弱いのだな〜。襲いかかろうとしてためらう覆面男の目を見て、キムはハッと気づく。犯人は逃げようとしたが学校はすでに警官隊で取り巻かれていた。変質者の連続殺人事件だと警察は判断している。発砲にためらいはない。「待って。撃たないで」キムは叫ぶが遅かった。倒れた犯人を抱き、目だし帽をとってやるとそこにいたのは弟のアレックスだ。彼の復讐だった。一足飛びに犯人逮捕・射殺に至るのも、なあ〜。もうちょっと綾が欲しいわね。そうそう、ジェイミー・リー・カーティスのダンスシーンがあります。監督は「ダンスができる」ことを出演の条件にしたくらいで、ここのカーティスを最高に見せています。こんなにカッコよく踊るなら、タイトルは「プロムナイト・フィーバー」にでもすればよかった。

 

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