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特集「ベストコレクション」

2017年10月2日

特集「白秋のベストコレクション」②
ザ・コンサルタント(下)(2017年 アクション映画)

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監督 ギャヴィン・オコナー

出演 ベン・アフレック/アナ・ケンドリック/J.K.シモンズ

シネマ365日 No.2256

三人の女

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三人の女とは、会社の裏帳簿の不正に気づいてクリスを助ける女子社員デイナ、クリスの裏社会での正体を突き止めるFBIのメディナ、クリスの助手にして右腕のジャスティーンです。デイナをアナ・ケンドリックが演じます。無口、というより対人関係や対話の苦手なクリスにものおじしないで近づき、質問し、複雑な資料を読み解き不正を暴く。彼女に好感を持ったクリスが、デイナの質問に一つ一つ、律儀に答えていく内容が、複雑に入り組んだ映画の構成を、解きほぐしていくことにもつながります。メディナはキング局長の引退に伴い、麻薬捜査の責任者となる。クリスと別れたままだった弟と、暗殺の現場で再会する。彼はリヴィング・ロボティクス社の社長が雇った殺し屋だった。兄が弟に連絡を取らなかったのは「俺の顧客は危険なやつばかりだから、お前が危ない目にあうと思って黙っていたが、所在だけは知っていた」というクリスに、弟は長年の恨みを水に流し、クリスは社長の頭を撃ち抜き、再会を約束して弟と別れる▼ジャスティーンは少年クリスにピースを見つけてあげた少女です。場面はハーバー神経科病院。面談の両親に医師が話しかけています。「この国では68人に一人が自閉症です。もし我々の診断に使うテストが間違っていたら、自閉症という病気の存在そのものがなんだ、ということになる。息子さんは劣っていない。人と違うだけです。親がどう期待するかで、将来は変わってくる。世間と同じようにあきらめたら何もできない。高い能力があるのに、伝え方を知らないか、我々が聞く力がないのかもしれない。彼女はジャスティーン。30年前から口をきかないのです」しかし彼女こそパソコンの天才で、ペンタゴンさえハッキングが可能な最新のマシンを使って会話するのだ。「ハロー王子さま」と呼びかけ、クリスとチャットしているのが彼女だ▼クリスは自宅以外に最新設備のトレーラーを持って移動します。動く要塞とでも言える。高性能の銃器、現金、金の延べ棒、何種類ものパスポート、衣食住完備。ルノワールにポロックの原画。クリスはホテルで眠るデイナにメモを残して去った。「デイナ、君は賞賛に値する」と。リヴィング・ロボティクス社の株操作も暴かれ、社長は死に、事件が解決したある日、デイナは大きな荷物を受け取る。破ってみると「ポーカーをする犬たち」の裏に、デイナが好きだと言ったポロックの絵が隠されていた。クリスの贈り物だった。高密度・ハイテンションのいい映画です。ベン・アフレックが、クマのように大きな体で、のそのそと動き、無表情に口の中でボソボソ喋りながら、超一流の凄腕スナイパーをやるギャップがミソ。彼がアカデミー主演男優賞を取れないのはハリウッドに「ベン嫌い」が多いからだという、まことしやかな噂があるそうですが、なぜだろう。男社会の嫉妬かしら。でも、彼、あまり切れ者の男をやるより、「ゴーン・ガール」で、嫁のロザムンド・パイクにコテパンにされる旦那みたいな役が精彩を放っていたわ。本作も冷酷な裏社会の暗殺者というより、表社会に現れず、終始目立たず、相方のパソコン天才女子のリードで公務員のように仕事を処理する地味目の男がよく似合ったわ。彼、本当はデイナが好きなのだけど、気持ちが伝えられないのよね。ジャスティーンに「昨日今日、知ったばかりの女の子を、どうして命がけで助けるのよ」ときかれ「放っておいたら殺される」なんてモゴモゴいっている。フランシスの場合もそうでしたが、狭いけれど深い人間関係を結び、結んだら裏切らない、心から大事にする彼の流儀がよく表れていました。

 

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