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特集「ベストコレクション」

2017年10月6日

特集「白秋のベストコレクション」⑥
蝋人形の館(2005年 ホラー映画)

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監督 ジャウム・コレット=セラ

出演 エリシャ・カスバート/チャド・マイケル・マーレイ/パリス・ヒルトン

シネマ365日 No.2260

匠の技 

05-09_白秋のベスコレ2

ちょっと古い映画だけど、ジャウム・コレット=セラ監督のデビュー作というので本作を取り上げました。セラ監督の「エスター」「アンノウン」「記憶探偵と鍵のかかった少女」「フライトゲーム」「ロスト・バケーション」みなよかったものね。今ではリーアム・ニーソンやジュリアン・ムーア、ブレイク・ライブラリーとか、ビッグな俳優がズラズラ出たがる監督になったけど、本作のときは地道なもの…とはいえんか、この人、パリス・ヒルトンが出演して、みごとゴールデンラズベリー賞最低女優賞に輝いたからね。彼女はいうまでもなく、ヒルトンホテルの創始者の孫娘。次から次エピソードの多い女性だけど、この映画では、情け容赦のないセラ監督にバッサリ殺されます。やるわね▼それはともかく、本作は三度目の映画化。人気の要素はもちろん「蝋人形」でしょう。マダム・タッソーは蝋人形の技術によって、マリー・アントワネットら、フランス革命でギロチンの露と消えた有名人のデスマスクを任され、順番待ちだった自らの死刑を免れた。「一芸身を助ける」というじゃないですか。本作の蝋人形工場のセットは非常によくできています。こういうところがセラ監督の映像作りのセンスね。蝋を溶かす、古い使い込んだ鉄の鍋に流し込む、ガタン、コトンと響く禍々しい手のこんだ装置。パッカーンと人形の頭が割れたり、腕がちぎれたりすると、そこから本物の人体が見える、うわ〜、こいつら人間殺して蝋をかぶせていたのかよ〜。こいつらというのは山奥の小さな村にいる双子の兄弟だ。順を追っていうと、6人の若者がフットボール試合観戦のためスタジアムに向かっていた、途中のキャンプ場で一泊する。彼らは獣の腐乱死体の池に仰天する。手首まである。ここは殺人現場か。でも彼らを乗せてきたトラックの運転手は、あれはマネキンの手だと拾い上げて見せた▼ヒロイン、カーリー(エリシャ・カスバート)とBFは車の部品を買いにアンブローズという隣町に来た。蝋人形館を見つけた。あと追ってきたカーリーの兄ニック(チャド・マイケル・マーレイ)と仲間たちも一緒に蝋人形館に入った。蝋人形館はトルーデイ夫人が開設した。彼女の夫は外科医で、法で禁じられている手術を行い、医師免許を剥奪された。夫妻は心機一転のためこの町に来て人形館を建てた。夫人は脳腫瘍のため寝たきりになり、正気を失いベッドに縛られて死んだ。夫は銃で自分の頭を撃ち抜いた。息子が二人いた。里子に出され死んだ。蝋人形館は廃墟となって現在に至る…ネタバレすると、息子たちは死んでおらず、町に戻ってきて蝋人形を作り出した。人形の元になるボディ入手のため次々人を殺し、町全体を無人にしちゃう。教会の牧師も蝋人形、参列者も人形、窓から覗く人影も人形で、腕や顔が動くカラクリ仕掛けだ。若い女の人形が欲しかったところだと、カーリーが捕まり唇に接着剤を塗られ監禁された。双子の息子たちは残る友人たちを殺していく、残るのはカーリーと兄だけ▼二人は傷を負いながらも殺人狂の双子をやっつける。パトカーが到着し保護された。大量の連続殺人になぜ今まで気がつかなかったのか。保安官がいうには、町は奥まった場所にあったし、10年前に工場が閉鎖され、地図にも載らなくなった、大量の車が廃棄処分になっていたのは、みな双子の仕業だろうと保安官は話した。ところが新しい報告によると、息子は二人でなく三人だと。トラックに乗ってトンヅラしたあの男だ…映画はここでエンド。町ぐるみが蝋でできていた。家が燃えると、階段も床も天井も溶け出す。蝋人形館は壮大な蝋細工の一部にすぎなかった。教会の参列者がみな蝋人形、棺に横たわっているのはマダム・トルーデイ。つまり彼らの母親の葬儀を蝋人形で執り行っているわけね。蝋人形でこしらえる擬似世界のために、監督が凝らした匠の技が、小道具やセットにいかんなく現れています。

 

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