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特集「ベストコレクション」

2017年10月9日

特集「白秋のベストコレクション」⑨
マギーズ・プラン-幸せのあとしまつ-(2017年 コメディ映画)

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監督 レベッカ・ミラー

出演 グレタ・ガーウィグ/イーサン・ホーク/ジュリアン・ムーア

シネマ365日 No.2263

混戦、奮戦、最後はグー 

05-09_白秋のベスコレ2

ぷっ。やるわね、このヒロイン。男性とは半年以上関係が続かず、たまたま出会った男と不倫・略奪婚のあげく、やっぱりこいつヘタレだった、家事育児を押し付け作家になるはずがいつまでも鳴かず飛ばず。ウダツの上がらない亭主に飽き飽き、そうだ元嫁にお返ししよう…元嫁も怒る、はずが愛した人はあなただけ、あなたを大事にしない私がいけなかった、深く反省し元の鞘に。なんちゅう映画よ(笑)。さすがレベッカ・ミラー監督ね。ヒロイン、マギーに今やマンブルコア(低予算で作るインディーズ映画)のミューズとなったグレタ・ガーウィグ。彼女を初めて「フランシス・ハ」で見たとき、おとぼけがうまいなあ、と感心したのだけど、とぼけてるのじゃなく「地」だったのね。大ボケ・小ボケ併せ呑むスケールの大きな女優よ。美人だけど鼻にかけるふうもなく、がっしりした体格が頼もしい。蚊みたいに細い女優さんたちの中で威風あたりを払っているわ▼マギーに絡むのが、新進気鋭の人類学者ジョン(イーサン・ホーク)、コロンビア大学人類学教授ジョーゼット(ジュリアン・ムーア)の夫婦。ジュリアンは「50歳の恋愛白書」に続くミラー監督とのタッグです。仕事一筋、家事能力100%ゼロのジョーゼットは、トップに髪をひきつめ、厳しい視線を夫に投げ、育児は夫に押し付けかえりみない。母親の血を受けた子供たちもヤワではなく、パパをこき使うか無視。疲れ果てたジョンはマギーの広い胸になだれ込む。ジョンがまたいい加減な男でして、ジョーゼットを「鬼嫁」と呼び、いきなりマギーの部屋にやってきて「君が好きだ。妻とは離婚する」。マギーは数学の得意なガイの精子をもらって注入しようとしていたところへジョンが飛び込んできてベッドインとなったのだ。この結末はラストでわかります。リリーという可愛い娘も得て、順風満帆の家庭生活のはずだった。でもジョーゼットから毎日電話がかかり、そのたび呼び出されたジョンは、元嫁との間にできた二人の子供の面倒にかかりきり。いつの間にか家事一切はマギーの仕事、小説を書いて出版するはずの夫は執筆よりジョーゼットの電話に反応する、家事も育児も稼ぐのもマギー。女友だちに愚痴ったところ「いっそ元に戻ってもらえば」マギーはたちまちその気になり、ジョーゼットを訪ねた▼女ふたりの同盟が成り立ち、ジョンは作家より学者に才能があるというジョーゼットの言葉に、やっぱり僕の最高の理解者はキミだ、と作家はポイ。マギーのプランは成功し、今は二家族一緒に、リリーとジョーゼットの子供たちがスケートをしたりしている。リリーがやたら数字に強い。「!」マギーの頭に閃くものが。そこに、向こうからガイがスケート靴を持って近づいてきます。彼に注がれたマギーの熱い視線…。登場人物はみな理解があって最後は丸く収まる。一見「いいとこ取り」に思えたヒロインが貧乏くじを引いたとわかり、とんでもない計画を思いつく。入り乱れる元嫁とヘタレ亭主の混戦、現嫁の奮戦を、イーサン・ホーク、ジュリアン・ムーアらのベテランが巧みにさばき、監督がセンスよくまとめた。スコットハリウッド流ドタバタの、騒々しくシナ下るセリフの羅列でないところ、ライトな後味のよさがいいです。

 

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