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特集「最高のビッチ」

2017年10月13日

特集「最高のビッチ4」④ クセニア・ソロ①
ペット檻の中の乙女(上)(2017年 ホラー映画)

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監督 カルレス・トレンス

出演 クセニア・ソロ/ドミニク・モナハン

シネマ365日 No.2267

才能に気づいたのよ 

★10-13_最高のビッチ4-1

殺人狂の女性ホリー(クセニア・ソロ)がヒロインです。シリアル・キラーを「乙女」とする邦題の感覚もどうかと思うけど、それにこの映画、クソミソに評価されているけど私は面白かったわ。脚本がしっかり書き込まれていて(なにバカなこと言ってンの、このふたり)と思いながらも引っ張っていくのよ。ジェレミー・スレイターって、確か「ラザロ・エフェクト」の脚本を書いた人ね。ホリーの反撃でモロに破滅させられる高校の同窓生セスがドミニク・モナハン。これじゃやられてしまうの、無理ないわ、と思ってしまう、ある意味純情というか、頼りない変態男の感性をうまく出していたわ▼セスは動物保護収容所の臨時職員。バスの中で偶然会ったホリーに声をかけ、交際しようとまといつきバカにされ、ならば拉致して監禁してやるという暴挙に出ます。彼は動物の世話をするやさしい青年です。殺処分されるシェパードがかわいそうでたまらないが、時給9ドルでは引き取ってやることもできない…と嘆きながら、ホリーを閉じ込める金属の檻はしっかり用意するのだから、彼のやさしさにはどこか歪んだところがある。ホリーもいかがわしい女でして、自分は作家だけど身分を隠すためにウェイトレスをしているという。一冊の本も書いていない自称作家が、隠すほどの身分か。男も女も、どっちもいい勝負なのよ。深夜ホリーの部屋に侵入したセスは麻酔薬を打って眠らせ、ダンボールに詰めて職場の地下の倉庫の、そのまた奥にある「開かずの部屋」に運び込む。目を覚ましたホリーは変態男に誘拐されたとわかる。怒り狂い罵る。いい度胸です。助けてくれともお願いせず、泣きもせず、間違ったことをしてはいけないと諌めもせず、ハナから攻撃開始▼でもセスはホリーの秘密をちゃんと知っている。「クレアはどうしている?」と訊きます。クレアはホリーの親友です。「君が一人二役で会話しているのが、最初は怖かったよ。クレアは実在していないのだね」その通り。とっくに殺しちゃったのね。クレアがホリーの婚約者と寝たからです。殺しはしたけど、ホリーは頭の中でいつもクレアに話しかけ、部屋でワインを飲むときはグラスが二つ。日本でいう陰膳ではないですか。なにくれとホリーは幻のクレアに相談するし、完全に「もう一人の自分」になっています。深い仲だったのかな。男のことはついものの拍子で、悪かったと謝るクレアに耳を貸さず、言い争ううちホリーは車をぶつけ、お腹に刺さった長いガラスの破片を引き抜くと、助手席で気を失っているクレアの左目をグサッ。脳まで届いてクレアは死亡。なんでセスがクレアの件を知ったかというと、たまたま落としたホリーの手帳に書かれた日記を読んだ、それはホリーの殺人記録で、ホームレスには火をつけるわ、行きずりの男は首を絞めるわ、女は、これも絞殺だったか、とにかく殺す。セスは檻の中のホリーに「病気なのだ。君は捕まりたくて日記を書いた。僕は君を救う。人を殺さずに済むようにしてやる」。ホリーにしたら大きなお世話である。幻のクレアにささやく。「私を救うチャンスがあると思わせるわ」。セスはホリーの狂気にはまり込みます。「クレアの時は怒りの発作だとしても、その後どうして何人も殺し続けたのだ?」彼女の答えとは「才能に気づいたのよ」。どんな? セスは完全に絡め取られ、もう後戻りできません。

 

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