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特集「最高のビッチ」

2017年10月14日

特集「最高のビッチ4」⑤ クセニア・ソロ②
ペット檻の中の乙女(下)(2017年 ホラー映画)

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監督 カルレス・トレンス

出演 クセニア・ソロ/ドミニク・モナハン

シネマ365日 No.2268

暗黒のメルヘン

★14-17_最高のビッチ4-2

ホリーはこう言います。「目の前で人が死んだとき、世界の焦点が合う感覚になる」。セスは「君は作家になる夢を持っていた女性だ。優しく、孤独を恐れていた。それが本当の君さ」どこまでアサッテ向いているのよ。ここまで盆ナカが読めないことって、悲劇というしかないわね。セスが仕事もそっちのけでホリーにかまっているものだから、セキュリティのネイトは不審に思い、地下の「開かずの部屋」を見つける。下着姿の若い女性が檻に監禁されている。ここを開けて、とホリーは命じる。わけを聞きたがるネイトに「私を出すのが先よ」有無を言わせない。セスが来る。ホリーは「殺れ」と目配せする。物の怪に憑かれたようにセスは男を惨殺。檻の中からホリーの出す指示は、冷酷な女のナルシズムです「まず死体はなるべく早く処分する。焼こうと埋めようと構わない。身元が分からないよう歯やタトゥーや指紋は消す。指紋はピーラーを使えばいい。抜いた歯はバラバラに処分し一箇所に捨てない。手足は切り離し焼却炉に、体幹部は細切れにして犬の餌に」▼セスはそれでもこういうのです。「君が人を殺すのをみておれなかった」「私はずっと孤独だったの。殺人嗜好は子供の頃気づいた。家族や友だちにばれたら皆私から逃げる。だから自分を偽る術を学んだ。だけどあなたのような人が必ず現れる。本当の私を知らずに。彼は必ず私を受け入れると自分に言い聞かせる」そして愛しているなら証拠を見せろ、指を一本切れ…。「指を切れば僕を信じるか」「私の愛以外に正解はないわ」彼は右の人差し指をナイフで切り離し、ホリーを檻から出す。痛みにのたうつ男に女がかけた言葉「私を救ってくれた、もちろん愛している、その本当に意味がわかる?」熱いキスをして、スパッと喉を斬るじゃないですか。場面転換、ホリーはベッドにいる。男に女からメールが入る。ホリーが寂しい貸し倉庫街を歩いている。一棟に入る。檻の中に男がいる。セスだ。止めはささず生かしておいたのだ。その目的は…「来たわよ」声帯を切られたのか、セスは声が出ない。「またエリック(元カレ)にやられたわ。他の女に会っている。頭にきて、今朝は手を出しそうになったわ。でもやめたわ。あなたの愛を思い出したの。幸せを感じたわ」溶暗。そしてエンド▼セスはホリーのペットとなって生きながらえていくのでしょうか。指はまた一本減っています。本作はサイコ・ホラーというより暗黒のメルヘンの佳品ね。快楽を貪る性の淫らさはありません。エロティックにほど遠い。男も女も欲情しない。支配する女と、狂気の女に救済妄想を持った男がいる。その描き方にセンスがある。ドッペルゲンガーとしてのクレアを登場させ、彼女を殺したものの、ホリーは彼女を頼りにし、心の中で話しかける。自分が手にかけた非在の人間しか信頼できない。関係が結べない。それがホリーの孤独でした。

 

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