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特集「ヤバい女」

2017年11月6日

特集「ヤバい女」⑥
エヴァリー(2015年 アクション映画)

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監督 ジョー・リンチ

出演 サルマ・ハエック/渡辺裕之

シネマ365日 No.2291

ランボーも裸足で逃げる 

06-09_ヤバい女1-2

4年間マフィアの組長タイコ(渡辺裕之)に監禁されていた、コールガールのエヴァリー(サルマ・ハエック)は、警察へ情報を提供していた。それがバレ殺されかけている。場所はマンションの一室。床下の納戸みたいな場所からエヴァリーの悲鳴と日本語の罵声。全裸のエヴァリーは血だらけ傷だらけ。背中のタトゥーは、花魁と龍の派手な彫り物。のっけから言うのもナンだけど、日本人が日本語でやり取りしているし、なんらかの形で日本の文化と風土に関係あるかと思うでしょ。でも違うの。室内のインテリアは赤っぽくて中国風だし、チラチラかかっている灯篭や浮世絵も、どことなくジャパネスクもどき。日本に対する解釈ってこの程度なのね。つくづく理解されにくい国なのだわ。で、この映画は何を問題にしているかというと、エヴァリーを殺せとタイコから指示があり、次々殺し屋が差し向けられ、エヴァリーが迎え撃つ、場所も室内かせいぜい廊下、ワンシチュエーションの実にわかりやすい映画です▼エヴァリーはトイレの水槽からビニールに包んで隠しておいたケータイと拳銃を取り出し、刑事にバレたから助けに来てくれと緊急連絡、下着をはいて、さっきからドアをドンドン叩いて怒鳴っている男たち、4、5人を射殺する。でもすぐ次の組が来て、組長からのプレゼントだ、開けろ。そこには刑事の生首が。「愛の嵐」のパロディみたいでした。やってきた殺し屋が変わった連中で、どこから見ても変態のハゲ親父や、エヴァリーの同僚の娼婦兼殺し屋の女たち、メークアップ・アーティストと称したやつは、細々と小道具を並べ「私たちのショーの主人公を務めてもらう」そううそぶいて、硫酸、ガソリン、幻覚剤、水酸化ナトリウム、エヴァリーは変態ジジイに硫酸を飲ませ、喉を焼いてしまう。エヴァリーは警備の隙を見てケータイで母親と娘メイシーをマンションに呼び、大金を渡して逃がそうとした。「ある男の下僕になり4年間閉じ込められ、連絡もできなかった。あの男は悪魔よ。女を外国に売りレイプさせ監禁するの。ここから生きて出られないの。私を置いて逃げて」でも母親は撃たれて死ぬ。エヴァリーは娘を同じマンションの友人アンナに預ける▼やってきた組長は意地悪く「メイシーは母親が用済みの売春婦だと知っているのか」。グダグダしたやり取りがこうだ「私の刀で命を絶つなど君にはもったいない」「死ぬほど憎んでいるわ」「私は愛していた。入れ墨を切り取らせてもらう。こっちを向け。君の目を見ながら殺してやりたい」。入れ墨を切り取るって、皮膚だけ残して展覧会にでも出すのか。セコイ男ね。それに入れ墨だけど、タトゥーという呼称が一般的になって「入れ墨」なんてクラシックないい方、流行らないのかも知れないけど、日本人の彫った入れ墨は、よく外国で見る肩や腕にチマチマと入れた「タトゥー」と全然違うわ。私の入れ墨の知識は、せいぜい健さんの唐獅子牡丹か藤純子の緋牡丹お竜なのだけど。だからエヴァリーの背中も、色合いがド派手なだけで、出来が平板、ペタッとシール貼ったみたいだった▼いよいよエヴァリー対組長一家の激突。おい。この映画は本当に「エヴァリー」か。「ニキータ」のまちがいではないか。4年間も監禁されていたエヴァリーが、軽々と重火器を扱い、機関銃を速射、拳銃をぶっ放せば百発百中。ンまあ。開いた口が塞がらぬうちに手榴弾をポイッ。エレベーターごと殺し屋どもを火ダルマにするのだ。ランボーだって裸足で逃げるぞ。こんな映画もたまにはいいよ。でもね、エヴァリーの母親が殺されるとか、子供を預かったアンナが巻き添えで死んじゃうとか。死なせたからって劇的に映画が変わる脚本でもないでしょうが。とってつけたように、わざわざ後味の悪いこと、しなくたっていいだろ。

 

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