女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「偏愛力」

2017年11月13日

特集「偏愛力3」④
白い闇の女(2017年 ミステリー映画)

Pocket
LINEで送る

監督 ブライアン・デキュベリス

出演 エイドリアン・ブロディ/イヴォンヌ・ストラホフスキー/ジェニファー・ビール

シネマ365日 No.2298

勿体つけすぎの「闇」 

10-14_偏愛力3-1

新聞記者とは今や絶滅危惧種だと自嘲する主人公ポーター・レンがエイドリアン・ブロディ。彼のはかなげな下がり眉がぴったりだ。給料は家のローンの支払いで消え、生活は名医だという外科医の妻リサ(ジェニファー・ビールス)が支えている。「フラッシュ・ダンス」から33年。53歳の今も驚くほど変わらないのね、この人。でもレンは警察の捜索でも探せなかった少女を見つけたことで一躍「時の人」に。つまり有名記者になった。だから彼の元にはいろんな相談が持ち込まれる。彼は聞き役の達人で、彼と話すうち誰しも心の中を打ち明ける。美しい未亡人キャロライン(イヴォンヌ・ストラホフスキー)もそのひとり。パーティで彼女に会ったレンはたちまち深みにはまる。彼女は映画監督サイモンの妻だった。サイモンは変死し、警察も真相はわからない。彼の撮ったメモリー・カードがぎっしり銀行の貸金庫に保管されていた。キャロラインはそれを見てくれというのだ▼レンは新聞社のオーナー、ホッブスに呼び出され「君はキャロラインと関係しているね。彼女は何度も同じ映像を送りつけてくるのだ。不名誉な内容だ。それを見つけろ」と強引な指示を出す。レンは二度と会わないと誓ったキャロラインと簡単によりを戻す。キャロラインは患者を装い妻の病院に行き、仲を見抜かれてしまう。家の中はギクシャク。キャロラインの頼みは「ホッブスと寝たときの映像を見つけて」くれという。どっちも同じ探し物をしていたのだ。ホッブスは20歳のときマルセイユで暴漢に会い「ペニスを切り刻まれ世界中の名医に見てもらったがダメだった」それを見たキャロラインに「嫌悪感を持ったか」と聞くホッブス。「あなたは素敵よ。私も秘密を教えるわ」と子供の頃の馬の話をする。「なんてことだ。ひどすぎる。私がなんとかしてあげよう。君の特別な場所にキスしてあげたい」。で、ここを隠し撮りした映像があるわけ。なんでそんなことをしたかというと、キャロラインがサイモンとのゲームで「意外な人と寝る」ことにした。偶然ホテルのロビーで出会ったホッブスと成立したわけだが、サイモンはその映像を隠したまま殺されてしまった。だから誰か第三者がホッブスに送りつけていることになる▼ホッブスは進展しないレンの調査に手下を送り込み、3歳の息子は手を折られた。妻は不倫に加えて家族にまで害を及ぼす夫に見切りをつけ、子供を連れて実家に。進退きわまったレンはサイモンの父親からヒントをえて、その映像を見つけ出す。受け取ったホッブスは古ぼけた鍵をレンに返す。とりあえず鍵を受け取ったレンは、不可解なサイモンの死を調べることにする。今は解体された遺体発見のビルの跡地に行き、ナンキン錠のかかっている、地下に通じる扉があることに気づく。鍵はぴったりあった。ビルは解体されていたが、それは間取りの一緒の隣接したビルだった。残っているビルの一室で、レンは電線の陰に隠されていたメモリー・カードを発見する。そこに映っていたのはサイモンと妻。言い争いの原因は「ホッブスに言って聞かせた馬の話を俺にも言え」とサイモンが迫り妻は「絶対にいわない」と拒否。いうまでここから出さない、鍵は「こうだ」とサイモンは牛乳で飲み込んでしまう。キャロラインの足に鎖をつけ、エレベーター坑から吊るすと脅すのだ▼いうことを聞かないキャロラインと、怒ったサイモンがもみ合いになった。女は割れた置物の破片でサイモンの首を刺し男は死ぬ。鍵を飲み込んだままだ。キャロラインは長い破片を突き刺しブスブスと開腹し、鍵を取り出して鎖を外し脱出した、という一部始終をレンに打ち明けた。一体どんな秘密かというと、幼女の頃キャロラインは、誕生日の贈り物に馬をせがむと、継父は買ってやる代わりにレイプしたというのだ。馬は買ってくれたが牧場に一緒に行くと、継父は目の前で馬を射殺した、というのがトラウマなのだ。首をひねるわよ。かわいそうだけど(馬が)、人を殺してまで守らねばならぬ秘密か? 勿体つけすぎ。継父と娘ときたら次はレイプとくるのがサイコ・ホラーの常道ではないですか▼縮めて言えば、美しい金髪の若い未亡人に、探し物を頼まれた記者が彼女と関係し、災難に遭いながらブツは見つけ出して雇い主の要求に応えクビにはならなかったものの、妻とは離婚。なりゆきとはいえ、夫を殺した女に目をつぶり「元気でな。頑張るのだぞ」励まして別れるのだ。おまけに「キャロラインが身近にいないことを確かめに」結婚した女の家の前を車でウロウロし、「彼女の幸せな姿を見て」去るのだ。そんなゆるい感傷が絵になるのは、エイドリアン・ブロディの憂いたっぷりの八の字眉のおかげだと思おう。

 

Pocket
LINEで送る