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特集「偏愛力」

2017年11月14日

特集「偏愛力3」⑤
ドラキュラZERO(2014年 ファンタジー映画)

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監督 ゲイリー・ショア

出演 ルーク・エヴァンス/サラ・ガドン

シネマ365日 No.2299

違和感ありすぎ 

10-14_偏愛力3-1

ドラキュラはダーク・ファンタジーのスター。そもそもダーク・ファンタジーとはどんな映画を言うのか。勝手な好みと解釈を述べれば、「退廃美に耽溺できる」「不吉な邪神に、魅入り、魅入られた男や女が主人公」「闇の裏世界でしか生きられない、反自然にして偏頗な属性」「危険な妄想=グッド、黒いエロス=文句なし、怪物=ウェルカム、フリーク=歓迎」こういうイメージで捉えてきました。本作にしてもちゃんとそれらの要素はあるのですが、いかんせん、ダーク・ファンタジーというには謎がないというか、手のつけようのない混乱がない。淫乱もない(無理になくてもいいのだけど)。ドラキュラ城の君主ヴラド・ドラキュラ(ルーク・エヴァンス)は、巨大帝国オスマントルコから1000人の子供を差し出せといわれ悩んでいる。ヴラドの父もかつて自分を人質としてオスマントルコに差し出した。ヴラドは「串刺し公」と異名をとる凄腕の武将となり、年期奉公が明け故郷に帰り、美しい妻ミレナ(サラ・ガドン)を娶る。息子が生まれ幸福な家庭を築いていたのに▼ヴラドは自分が残虐な兵士であったことを悔い、世のため、人のため、あらん限りの善政をしく。トルコの君主メフメト2世の命令に背けば戦争だ。弱小国は滅ぼされる。息子は父の苦衷を思いやり、1000人の中の一人として「行きます」。何て親孝行な勇気のある息子だろう。でも母親は違う。息子をどこにもやらないで、と懇願する。息子を引き渡す場所へ来た父王は、トルコの武将を切り倒し息子を連れて帰るのだ。戦争勃発。伝え聞く山の洞窟の悪魔(実は吸血鬼)の力を借りるしかない。叶わぬときの神頼みではなく、悪魔頼みです。「オスマン軍が押し寄せてくる、お前の力があれば阻止できる」とヴラド。いったん悪魔に身売りすれば、百人の男の力を流星のごとき速さ、夜とその獣たちを支配し、彼らの目と耳を手に入れる。ただ一つの弱点は、この血を一度飲めば、人間の血の渇望に襲われる、だが3日間だけ耐え抜けば人間の状態に戻れる、耐えられず血を飲めば永遠にヴァンパイアのままと説明する。勝利の前に迷いなし。ヴラドは血でも泥でも飲んでやるわ、とばかり超人と化します▼ヴラドは一人で1000人の敵軍を打ち破ります。ドラキュラ城は危機を免れたが、血の渇望が襲ってきた。妻の首に透けて見える青いきれいな血管に目が吸い付く「血が欲しい、血が欲しい。あと一日、絶えぬかせてください」とヴラド。今度は神にすがります。メフメト2世は黙っていない。次は10万の大軍をドラキュラ城に送る。多勢に無勢。妻は傷を負い、断崖から落ちる寸前、「私の血を飲んであの子を守って」と夫に頼む。ヴァンパイアとなったヴラドは、兵士たちに自分の血を与え、全員ヴァンパイアにしてしまい、超人パワー軍団でオスマントルコを倒す。ヴラドは光を遮断していた雲を払い、日光を浴びて自分も部下も自滅させる。ところが誰かがヴラドに血を飲ませ、シーンは転換、現代の都市で、青年ヴラドがミレナそっくりな女性に声をかけている。ヴラドは妻の頼みを受け入れ、全面戦争に突入するのだから、ここはもうちょっと相克のあるのがフツーだと思うけど、ダーク・ファンタジーというよりファミリー映画だよね。ただしアクションはCGどっぷりで大迫力。90分と尺も短いから退屈はしない。でもね、ヴラドが闇の超能力を持った割には弱々しいわ。国の兵士全員をヴァンパイアにして、戦いが終われば、生かしておいても苦しむだけ、殺してしまおうと日光を浴びさせて全滅させるのもちょっとね〜。死ぬのは自分だけでいいでしょうが。そこのところ、親玉吸血鬼に話をつけておかなかったのね。君主として、違和感ありすぎ。

 

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