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特集「偏愛力」

2017年11月19日

特集「偏愛力3」⑩
スピーシーズ 種の起源(1995年 SF映画)

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監督 ロジャー・ドナルドソン

出演 ベン・キングズレー/ナターシャ・ヘンストリッジ/フォレスト・ウィティカ

シネマ365日 No.2304

美しい兵器

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ナターシャ・ヘンストリッジの「ゴースト・オブ・マーズ」を本欄で大いに褒めたことがあります。本作は「ゴースト…」に先立つこと6年、21歳のナターシャが、ぎょっとするような美しさです。人間の女性というよりアンドロイドに近い。だから本作のシルなんか適役でした。セリフ、少ないしね。地球外生命体を求めて宇宙に信号を送り続けて20年、未知の存在から返信が来た。彼らは無限のエネルギーを確保するメタン触媒の構造式と、人類のDNAを結合できる未知のDNAの情報を持っているという。早速、専門の研究機関が設けられ人間のDNAと結合させたハイブリッドを誕生させた。その生命体はシルと名付けられ、3週間で可愛らしい少女に成長した。少女期のシルにミシェル・ウィリアムズが扮しています。驚異的な成長のスピードとともに、シルの背中から脊椎に沿って鋭いナイフのような牙(というか、ツノというか)が皮膚から盛り上がり、恐怖を感じた所長のフィッチは研究中止を決定、シルを毒ガスで処分しようとした▼ガスが充満する培養室の透明な壁を、シルはものすごい腕力でつきやぶり研究所から逃走した。所長はシル捕獲のため独特な能力を持つ専門家4人を集めた。ハーバードで教える人類学者アーデン、分子生物学者ローラ、霊能力者ダン、殺し屋のプレス。メンバー構成がいかにもB級で楽しい。そもそもシルの種が地球にメッセージを送ったのは、理由はわからないが人類を滅亡させて自分たちの種を地球に産み付けるためで、無限エネルギーの確保とか、ハイブリッドの生成とか、人類が食いつきそうなアメ情報を送ってきたわけ。シルは片言を聞いただけで言語を覚え、助手席に座っていただけで車の運転を習得する。そう元祖「ルーシー」です。シルは人間とセックスして繁殖するのが役目ですから、美しい女性に変身し、ロスアンゼルスの街を歩く▼ブティックに入り服を物色し、「お似合いです」といわれたパーティ・ドレスを普段着にするところなんか笑いますが、ファッション・センスもたちまち身につけ、あっという間にスーパー・モデル、ナターシャ・ヘンストリッジに様変わり。最初に目をつけた男の豪邸に来たシルは、急に「気が変わった、帰る」という。男が承知するはずもなく強引に引き止めるが3秒で死体。シルの武器は口から飛び出す触手で、頭蓋骨だろうと背骨だろうと腹筋だろうと突き破る。テッポウウオの怪物です。シルの行動心理を分析したローラ博士は「罪の意識がない。繁殖を急いでいる。彼女は欲求不満だ」。人類学者のアーデンは「閉ざされた生態系に捕食者の種が入ると弱い種が絶滅する」。簡単に言うとシルという、美しい兵器によって人類は絶滅するのです。シルは地下道の壁の割れ目から広大な地下宮殿のような空間に紛れ込み、そこで男の子を産む。追い詰めた特別チームは火炎放射器でシル親子を焼き殺してしまう。しかし、シルの尻尾を食べたネズミが、遺伝子を引き継ぎ、触手で攻撃するネズミになっている…そこでエンド▼昔の劇画っぽい作り方が割と面白いです。特撮にCG、3Dとか4Dとか、メカの進歩が大作映画を面白くしているし、実写版も大盛況ですが、ストーリーと登場人物のキャラで勝負する、エンタメの鉄則をこの映画は守っている。ナターシャ・ヘンストリッジのデビュー作です。

 

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