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特集「ほんまか、アラン・ドロン!」

2017年12月3日

特集「ほんまか、アラン・ドロン!」③
刑事フランク・リーヴァ(下)(2007年 テレビ映画)

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監督 パトリック・ジャマン

出演 アラン・ドロン/ジャック・ペラン/ミレーユ・ダルク

シネマ365日 No.2318

トレビアン!

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全編6エピソードからなるこの映画が、言いたいことはたったひとつ、ジャック・ペラン(警視総監グザビエ)のセリフにあるコレ。「われわれは常に、フランク・リーヴァという男を中心に回ってきた」。われわれは、常にアラン・ドロンという太陽を中心に回ってきた惑星だって、言わせているのと同じじゃない(笑)。よく正気で言えると思うくらい、これまた天晴れよ。マフィア映画に裏切り・復讐・男の友情は3点セット。黒幕は警察内部にいる。そいつにはめられ逮捕されたフランクが手錠をはめられ、見せしめに部下や恋人の前を引き回される。次の瞬間娘が駆け寄り「パパ」と抱きしめ「上着のポケットよ」とささやいた瞬間、拳銃を抜き取ったフランクは慌てもせず車に乗り込み、部下に運転させ、急ぐ様子もなく発進させる。金縛りにあったように誰も手出しをしない。というより、フランクを逃がすため逃走を見逃す。パリ警察にまともな警官はおらんのか、といいたくなる「デキレース丸出し」のシーン▼マフィアと手を組んだ黒幕とは警視総監のグザビエだった。途中で察しがつきますけどね。ジャック・ペランは二枚目です。なのに、やさしげな、整った顔立ちが裏目に出て損をした俳優です。同じ二枚目でも、アラン・ドロンと並ぶとその違いがよくわかる。一方は爬虫類のような冷たい美男。もう一方は花のようにはかなく、人をほのぼのとさせる穏やかな美男。女は、非常時はジャック・ペランにすがりつき、平和時にはアラン・ドロンと享楽を分かつ、そんな図になるのでしょうか。映画という非日常の世界で顔を売るには、ジャック・ペランはあまりにも「家庭の延長」ムードだった。ともあれ、マフィアにつけこまれ、警察内部の情報を漏えいした警視総監の役なんて、ちょっと気の毒だった。彼がフランクを葬ろうとした理由は「妻が俺を見つめ、最後に口にした言葉はフランシス(フランクのこと)だった。あれほど愛の込もった表情を見たことがなかった」つまり嫉妬ってことね。フランシスだかフランクだかしらないけど、まともなアタマでも思い違いなんかしょっちゅうありますよ、死ぬ間際に他の男の名前を呼んだくらい、「なんだ、お前、やっとホンネを言ったのか、このビッチ」で笑ってすませるのが男でしょうが。それを必死こいて、ポリネシアから呼び返された臨時雇いの刑事一人を陥れるか? 警視総監っていう重職に、他にすることないのかよ。ヒマな警察にヒマな警官ばかりいる映画だわ▼おまけに、言いたくないけど、本作鳴り物入りの出演女優「美貌の警察署長」はフランクに一目惚れ。付きまとうように行動を共にし、夜遅くフランクのアパートに押しかける。女には惚れない、惚れさせるのみ、というアラン・ドロン映画の方程式がバッチリ。事件解決と共に署長を辞任し、フランクとともにポリネシアの島に帰るのだ。ミレーユ・ダルク? 男にとってこんなありがたい存在ってあるだろうか。ピンチのときは慰め励まし、頼りたいときはそばにいてくれ、仕事で忙しければ愚痴ひとつ、不平ひとつこぼさず、帰りを待って寄り添ってくれる。おまけにまあ、フランクが昔、潜入捜査官としてマフィアのグループに入っていたとき、恋人だった元カノが妊娠していた、フランクは逃亡中でフランスにいない、子供を産んだあと彼女は殺害され、残された遺児を、ミレーユ・ダルクが母親代わりとなって育てているのよ。あちこちに筋運びのタルサはあるし、さすがのアラン・ドロンも時代には抗えない。それでいいのだ。時代という「くくり」にかかって変化しないものなんか、世界文化遺産だけでいいのだ。デビュー50周年なんて、それだけで充分トレビアン!

 

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