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特集「ほんまか、アラン・ドロン!」

2017年12月4日

特集「ほんまか、アラン・ドロン!」④
恋するガリア(上)(1966年 恋愛映画)

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監督 ジョルジュ・ロートネル

出演 ミレーユ・ダルク

シネマ365日 No.2319

ミレーユ 

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亡きミレーユ・ダルクが27歳のときの映画です。3年後「ジェフ」でアラン・ドロンと共演し、長いパートナーとなります。ミレーユ単独の作品は、ほとんどDVD化されていません。監督のジョルジュ・ロートネルとミレーユはよほど相性がよかったらしく、彼女の映画の多くはロートネル監督によって撮られました。本作や「太陽のサレーヌ」なんか見ると、ミレーユという女優の見せ方をよくよく知った監督だと思います。彼は今年(2017)91歳。フランス映画の生き字引的存在となりました。本作は軽いノリでいながら苦味のある、心に引っかかりを残す映画になっています。主人公ガリアが、自由奔放に青春を謳歌しながら男との破局の日を迎え、人生の奥深さに向き合う。青春映画とか、ガールズ・ムーヴィーというより、もっと「大人アジ」を感じさせる映画です。それと、この映画を見ているとアラン・ドロンという、わけても気難しい男が、なぜミレーユとだけ18年もの長いあいだ関係を保ち、別れた後も、やれ「マディソン郡の橋」だ、やれ「刑事フランク・リーヴァ」だと仕事のパートナーにするのか、なんとなくわかる気がするのです▼オープニングがいい。エトルタの海岸と断崖です。くどくど書かなくてもそれだけでわかる、モーリス・ルブランの名作「奇巌城」の舞台です。アルセーヌ・ルパンが活動の拠点とした難攻不落の自然の要塞「エイギュユ・クルーズ」(空洞の針)が、海面から空に向かって角のごとく突き出す、そこから映画が始まります。絶景ではありますが、安らぎを拒否する峻厳な風景でもあります。このエトルタがガリアの故郷。パリでのガリアの暮らしはこうです。「デザイナーで収入もいい。好きなときにデートして、気にいった男と寝る気ままな生活。仕事場はノートルダムの近く。パリで見つけたのはショー・ウィンドウを作る仕事と心地よいベッド。観光客ばかりのパリに一人、エトルタが恋しい」ガリアは自分の部屋で、素っ裸になって絨毯に寝転び、本を読み、スケッチする▼本作のミレーユはフレンチ・カジュアルの見本のようなファッションです。シャツをラフにはおる、コットンの白いパンツに黒のタートルプルオーバーをシンプルに、シックに着こなす。顔にはそばかすが散らばっている。スリムで凹凸のない肢体はエロチックというより、少年っぽい清潔感がまさっている。男性からすれば好みが分かれるでしょうが、でもいいじゃない。アラン・ドロンはよかったのだから。共演の女優はフランソワーズ・プレヴォー。ガリアより10歳年上の設定で、プレヴォーはミレーユと違う、成熟した女性の色香を発散させます。見方によれば本作は一種のシスター・フッドものです。ガリアは夜のセーヌ川に身投げしたニコル(フランソワーズ・プレヴォー)を助ける。一瞬の遅疑なく飛び込み、溺れかかっているニコルを岸へ引きずってくる。「死なせて」とわめくニコルに平手打ちを食わせる▼全く個人的な経験に過ぎないのでなんとも言えませんが、ナタリー・ドロンのときはわりと手厳しかったアラン・ドロンのファン(男女とも)が、ミレーユ・ダルクのときは、彼女がそれまで日本でよく知られていなかったせいかもしれないし、ナタリーほどセクシーな目立つ女性でなかったこともあるでしょうが(ふうん、あ、そ…)という感じであまり騒がなかった。ミレーユを例えるなら、花でも植物でも樹木でも猫でも犬でも他の動物でもなく、川を流れる水、あるいは川そのもの、海の波のように寄せて返す、ナチュラな女性だったのだと思います。

 

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