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特集「ダンディズム-dandyism-」

2017年12月19日

特集「ダンディズム5」①キーファー・サザーランド
ワイルドガン(2015年 日本未公開)

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監督 ジョン・カサー

出演 キーファー・サザーランド/ドナルド・サザーランド/デミ・ムーア

シネマ365日 No.2334

締まらんなあ 

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「24」の監督と主演が組み、共演がドナルド・サザーランド。途中からデミ・ムーアが出演する。南北戦争に出征した息子ジョン(キーファー・サザーランド)は戦争が終わっても故郷ワイオミングに帰らなかった。戦争のむなしさは、牧師の父(ドナルド・サザーランド)が教えた神の存在を否定し、ジョンは拳銃稼業に身をやつし、流れ者となって10年。帰郷したのは、父と二人で土地を開墾するという母親との約束を果たすためだが、その母は亡くなっていた。結婚の約束をした彼女(デミ・ムーア)は別の男と結婚し息子を産んでいた。故郷は鉄道が通ることになり、ギャングが横行し、住民の土地を恐喝で取り上げていた。帰ってきたジョンは、名前の売れたガンマンだったが銃を捨て、木こりをやって土地を開拓する。父親には反抗的だ。息子は二人いたが、幼い時の父親の態度から、自分は愛されていないとジョンは思っていた。「エデンの東」みたいですね▼ギャングたちがジョンを挑発するがジョンは逆らわない。殴られても蹴られても耐える。ギャングたちは図に乗り、住民に因縁をつけては撃ち殺す、あくどいやり方で追い出しにかかる。牧師が刺されるに至って、ジョンはついに堪忍袋の緒を切る。任侠物ならガシっとドスをつかむところだ。ジョンはしまい込んでいた銃を取り出す。ガンベルトを締める。弾丸を装填する。奴らがたむろするバーに来る。定番である。キーファーはジャック・バウアー(「24」)に見えて仕方ないが、似合わないとはいえ、テンガロン・ハットを被って頑張る。デミの夫は「ジョンのいない新しい土地で出直す」ため土地を売る。牧師は重体だったが持ちこたえ、ギャングどもを一掃したジョンを迎える。お前を心から愛していたという父親の言葉にジョンは泣く。でも「俺があいつらをやっつけたことが行きわたったら、俺をやっつけて名を売ろうとする奴らがここへやってくる。俺は出て行く。開墾した土地は種をまくだけになっている」牧師は涙ながらに「また10年待つのか」「時々帰る」…孝行息子としてはいいのだけど、映画にしてはちょっと締まらんな▼デミ・ムーアは家族とともに家にとどまり、数年後彼女が死んだ後、墓に赤いリボンが結ばれてあったそう。なんじゃ、これは…というと、戦争に行く前、彼女がジョンに「私を思い出して」とあげた赤いリボンだ。帰郷したジョンに、あのリボンはどうしたの、と聞いたらジョンは黙っていた。でもちゃんと持っていたのね。広大なワイオミングの緑の平原をバックにした白い墓標。叙情的な場面がよかった。デミは死んだ。牧師も死んだ。ジョンの噂はその後聞かなくなった…で、おしまい。余韻があるといえばあるし、物足りないといえばそうだし。全体にただよう映画の頼りなさはなんだ。キーファー・サザーランドが西部劇に向いていないことと、親父のドナルドに存在感ありすぎだからよ。キーファーは飲酒運転や酒癖の悪さで、逮捕歴は少なくとも4回と云うお騒がせ男だけど、「24」のように恵まれた作品もあるのだから、もう少ししっかりした映画に出てほしいわね。日本未公開もこれじゃ無理ない。デミ・ムーアはガンガンのド派手な役で世間の鼻を明かしてやればいいのに、妙に枯れた役に出たものだわ。こんな役しか持ってこられなくなったと考えると怖い。いくら人気があったって、いくら賞をとったって、世間なんか冷たいものよ。まして素行・態度・発言でペケばかり作っていたら、それでも可愛がってくれる甘い世界じゃない。レベルの高い女優は後からいくらでも出てくる。踵に噛みつかれるのは時間の問題よ。いい役をオファーされる第一線を長年維持することが、いかに緊張と訓練と健康の賜物か。メリル・ストリープなんて人間国宝ものね。

 

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