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特集「ダンディズム-dandyism-」

2017年12月21日

特集「ダンディズム5」③チャニング・テイタム
マジック・マイクXXL (2015年 コメディ映画)

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監督 グレゴリー・ジェイコブス

出演 チャニング・テイタム/アンバー・ハード/ジェイダ・ピンケット=スミス/エリザベス・バンクス/ジョー・マンガニエロ

シネマ365日 No.2336

怒涛のストリップ再び 

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男性ストリップから引退して3年、家具店を経営するマイク(チャニング・テイタム)は、かつてのストリップ・チーム、キングス・オブ・タンパのメンバーと再会する。サウスカロライナのマートル・ビーチで開かれる大会に出ようというのだ。彼らも引退を考えているが、その前にパッと盛大な打ち上げ花火をあげ、リッチー(ジョー・マンガニエロ)いうところの「男性エンターティナー」として有終の美を飾りたい、そのためにはマイクがどうしても必要だった。司会者をやるトビアスが怪我で入院、彼に変わる司会者として、ストリップ・クラブを経営するローマ(ジェイダ・ビンケット=スミス)を尋ねる。早く言えば大会会場に着くまでのロードムービーが前半、後半がステージを席巻する嵐を呼ぶストリップです▼男たちはみな、順調なわけではない。マイクは従業員一人、しかも彼の社会保険も払えないチンケな店。ケンは「レベル3のヒーラー」と自称する、よくわからない肩書。消防士のリッチーは、俺たちはストリッパーじゃない、エンターティナーだと自負するが、将来の見通しがあるわけではない。ターザンは湾岸戦争に従軍し、温かい家庭を持つのが夢だ。だから本作は、どこか影がある。人生そううまくいくものじゃないとみな、知っている。それでも「くさいセリフだが」と断ったうえで「力を合わせて目標にぶつかることが人生の最大の価値なのだ」とマイクはいう。若さが過ぎようとし、事業も仕事もうまくいかず、後のない彼らが、最高の一瞬を輝かせようという本気度が、ありきたりな筋書きを引き締めていく▼女優陣がけっこう豪華です。娘の恋人のリッチーを歓迎する、セレブの母親ナンシーにアンディ・マクダウェル。代表作は「セックスと嘘とビデオテープ」でしょうが、「バッド・ガールズ」もよかったですよ。ウツの引きこもりで黙々とケーキをやけ食いする失恋美人ゾーイにアンバー・ハード。マイクが彼女を元気付けようと話し相手になるが「神は迷える子羊にTバックの男をつかわす」と冷たくあしらう。マイクは動ぜず「ストリッパー使節団なら君を笑顔にして、クソ野郎を忘れさせてやることができる」と大会に来ることを誘い「それがダメでも女たちが大勢いる。男に興味ないのだろ」。これ、アンバーのためのセリフか、チャニングのアドリブか▼もう一人エリザベス・バンクス。「ピッチ・パーフェクト2」製作・監督で大ヒットを飛ばした人。彼女が大会の参加者を仕切る怖い管理者パリス。「キングス・オブ・タンバだ」「そんなの聞いていない。例外は認めないわ」とエントリーで押し問答。ローマが音もなく現れ「久しぶり」とかなんとか、熱く抱擁し耳元でささやく。パリスはあっさり先行チームを外し、マイクたちを押し込むのだ。出場は決まった。あとは怒涛のストリップあるのみ。彼らの夢は「1ドル札の波に溺れる」。ステージに投げ入れる1ドル札のために、入場前に女性たちが両替する。ローマは熱気ムンムンの会場で絶妙の司会をやる。「みんな、一人ひとりが女王様よ。忘れないで。崇めてもらう準備はいい? かしずかれる準備はいい? セクシーな野獣たちが教えてくれる、あなたたちがいかに美しいか」「真逆のふたつのものって魔法を起こす。クールでホット、拒絶しながら受け入れる。今夜のキングたちはすごくスウィートですごくハード!」「男が求める理想の女性ってうんざりしない? 女らしさって何? どんな話し方をするの? ときには女はささやいてほしい。“感じているかい?”」▼ステージを降りたらまた平凡な、厳しい現実が待っている。でもそれがなんだろう。燃えるパフォーマンスは間違いなく一生に一度の現実だった。夢は叶ったのだ。おめでたいかもしれませんが、チームワーク、思いやり、努力、練習、助け合い、夢みること、それらこそ平凡な人生を非凡にする価値なのだと、気づかせてくれる映画です。

 

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