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特集「銀幕のアーティスト」

2017年12月24日

特集「銀幕のアーティスト7」①
ボヤージュ・オブ・タイム(2017年 ドキュメンタリー映画)

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監督 テレンス・マリック

出演(ナレーション)ケイト・ブランシェット

シネマ365日 No.2339

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銀幕のアーティスト6-1

「マトリックス・リローテッド」などのダン・グラス率いる視覚効果アーティスト集団の映像がたどる「ボヤージュ・オブ・タイム」文字通り「時の航海」です。宇宙の始まり、生命の起源を美しい映像にしました。ナレーションはケイト・ブランシェット。彼女が語りかけるのはだれ? いろんな解釈ができると思いますが、そのまま聴いていくのがいいと思います。ビッグバンに始まる宇宙の創成からです。「あなた」と呼ばれるのは神かもしれないし、宇宙そのものかもしれない。あるいはこの地球かもしれないとも思えました。いずれにせよ、140億年に及ぶ生命の起源から説き起こす「生命のオデッセイ」です。「あなたはどこにいるの。どこに去ったのです。私は恐れる。苦しみは絶えない。私は自分に問いかける。私はあなたの子ではないの? あなたはだれ。生命を与えるもの。光をもたらすもの」▼画面では裸足の女、ホームレスの男、道端に倒れる男、ゴミ箱をあさる女、老人、アフリカのキャンプ、難民。貧困の光景が流れ、火山が爆発し溶岩が流れ、噴煙が空を覆う。雷鳴が光り巨大な瀑布があり、溶け出た溶岩が固まって低地に海岸ができる。地層の隙間から青空が見える。地底に水がたまり、流れ、地表に開いた無数の穴から水蒸気が吹き上がる。受精をイメージする精子と卵子が密閉空間を泳ぐ。「母よ。誕生する今。私がいる。生命。休むことなく、満たされることなく、私は渇望する。光り。闇。私と話して。私は何? ここはどこ? 誰が私をここに?」単語が投げ出されるだけで、意味はどうつながるのか、説明はありません。そのままついていくのがいいかと思います。それにしても哲学的ですね。最後まで見ておれるかしら。スクリーンにはインドか、中南米か、極彩飾の衣装をまとった伝統行事。次は北海の氷塊。海の底。波が海岸に打ち寄せ、浜に蛇のような生き物がいる。はは〜ん。海から生物が陸に上がろうとしているのね。ムカデや巨大なヤドカリみたいなのがぞろぞろ歩いている。カブト虫みたいな三葉虫が現れる。してみるとカンブリア紀ね▼ナレーションが続く。「あなたは私を目覚めさせる」そうか。この地球に「生命体」を送り込んでくれたお礼を言っているのか。「尽きることなき源。果てしなき川。雲のように形のないすべての母。あなたから全てが立ちのぼる。石も霧のように流れていく」創造主のパワーはすごいのだ。おや、山椒魚の親玉みたいなのが。ウナギのような、エイのような生物がひらひらしている。スクリーンには太極拳、結婚式。何億年間がすっ飛んで急に現実社会が映ります。つまり「多くのものが変化し、過ぎ去っていく。あなたは耐える。力溢れる炎。すべてのものにひそむ。あなたはどこに?」。どこに、どこにって、何度も問いかけるのだけど、もともと姿かたちのないものなのでしょう? お、爬虫類が現れたぞ。「あなたはあまりにも偉大すぎる。あなたの誕生に終わりはない。永遠なる誕生」つまり創造主は地上に命を与え続けるってことか。万物流転ってところね。サメが出た!▼「この世界はなに? 手負いの雄牛。見捨てられた子。傷。年老いた女」マイナーイメージにどうして女が多いのだ。ケイト、一言いってやらなかったのか。「私たちは欺かれるのか。魂。望み。夢。私たちはなにも知らない。盲目。生命よ。私の声を聞いて。私を見捨てるのですか。愛が私を創ったのか」。受胎、大木、卵の白い殻、ひょっとしたらと思ったら、おお、恐竜時代に入ったぞ。ティラノザウルスの子供みたいなのが海岸を歩いている。いいわね。詩的だわ。しかるに再び悲嘆。隕石が落ち世界は闇に包まれた。「母よ。どこへ去ったのです? なぜ沈黙しているのです。母親は子を忘れられるものなのですか。あなたは何もしない。悪いことなど見ない。あなたを恐れる。愛を捧げるべきあなたを」この調子では「時間の航海」はいつまで経てば現代にたどりつくのだろう▼ここはアフリカ。猿だ。やっと哺乳類の世界だ。ゾウの群れ。キリン。シマウマ。チンパンジー。大蛇。素っ裸の原人がダチョーの卵を盗んでいる。嬉しいな。やっと名前のわかる生物が出現したところで、ケイトの語りに任せるわ。「溢れる喜び。なぜ続かない。善を与えしもの。生命よ。すべてのものが戻る。橋。門」要は通過するイメージね。「母よ。何を愛せよう。あなたを愛しているのに。あなたは光。闇。蛾。炎。友。そして他人。ワイン。それに聖杯。夜明け。私たちの光。あなたが流した涙。あなたが見た光景。注がれた愛。努力。希望。逃げ行く影。森羅万象。時はその源へと還っていく。母よ。あなたの手を取ろう。もう夢は見ない。あなたの元へ行こう。葉が枝にあるように、枝が木にあるように。愛が私たちを結ぶ。あなたの内に生きるものは、死にはしない。おお、生命よ。母よ」。個体である生物とともに、その内にある、見えないもの、魂とか、精神をも生みだした偉大な存在への呼びかけで終わります。時間と空間が出来たときから始まったものがたりですから、壮大よ。映像が綺麗だからよかった。意味不明な形象もあったけど。そういや。ナレーションだってわかるような、わからないような、ホントはなんだったのか、聞いてみたいわ。語りがケイトでなかったら寝落ちだった。ああ、われながらよく頑張った。

 

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