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特集「アニマルフェスティバル」

2018年1月7日

特集「それいけアニマルフェスティヴァル5」⑦
〜あけましておめでとうございます〜
メン・イン・キャット(2016年 コメディ映画)

監督 バリー・ソネンフェルド
出演 ケヴィン・スペイシー/クリストファー・ウォーケン/ジェニファー・ガーナー

シネマ365日 No.2353

猫魂(ねこたま)なのだ 

それいけアニマル5-7

いくら戌年でも、監督がバリー・ソネンフェルドでしょう、こらもう、だれがなんといったって見ないかんわ、と思ったので「それいけ」シリーズに押し込みました。彼の監督デビューが「アダムス・ファミリー」です。大げさでなく映画史に残るファンタジー・コメディの傑作だと、わたくし、常々いいふらしておるのです。だれも返事してくれませんけど(笑)。それに「メン・イン・ブラック」シリーズも彼。書きながらあのシーン、このシーン、思い出しては薄笑いが浮かぶ。この映画、大真面目に呆ける二人の名優がいます。セクハラ・バッシングの渦中の人、ケヴィン・スペイシーにクリストファー・ウォーケンです。ケヴィンは大会社のワンマン社長トム。北米一の高層ビルを建て自慢しまくり「実は社長、シカゴに我が社より14メートル高いビルができたので、うちは世界で二番目です」と幹部が知らせると怒り狂う。「クビだ!」が口癖でだれのいうことも聞かない▼クリストファー・オーケンは裏町の横丁にある、見るからにいかがわしいペットショップの主フェリックス。猫ばかりいる。原題は「九つの命」。猫は9回生まれ変わるくらい性が強い、という古いことわざからとったそうです。確かに「化け猫」はいても「化け犬」はいないものね。復讐はする、執念深い、嫉妬する、呪う、騙す、殺しても死なない、いうことをきかない、だからニーチェはいっているじゃないですか「女は猫に似ている」。私見を言えば、トムとフェリックスは猫の陰陽二面を人間に置き換えたものだ。トムの傲慢、人をバカにする、部下の意見を無視する、家族を放り出して仕事一筋…これは一見長所のようだが、彼の場合エゴイストの裏返しである。一人娘レベッカの誕生日も忘れ、妻にプレゼントの催促をされて思い出し、娘が大好きな猫を買いに渋々ペットショップに行く。トムは猫が大嫌いだ。でも仕方ない。フェリックスは猫が「先を読む、予知能力がある、人を見抜く、人間を操る」といった猫の超能力の部分を受け持つ。騒ぎ立てず、じっと見つめ、店に来たのがどんな人物であるかを見抜く。クリストファー・ウォーケンが、見るからに猫を彷彿とさせるメーキャップで現れ、吹き出します▼トムはフェニックスから「モフモフズボン」という変わった名前の猫をすすめられ、レベッカは一目でモフモフと仲良しになる。トムは大雨の日、ビルの屋上から転落、意識不明で病院に搬送され、気がつくと猫のモフモフに自分の意識が入り込んでいた。トムは猫になり、トムの実体はベッドで植物人間になっているのだ。もちろん家族の誰も気がつかない。会社では社長不在の間に着々と乗っ取り計画が進行し、意識が回復する可能性はほぼゼロであるから、生命維持装置を外したらどうだとさえ言うやつが現れる。妻のララはそれでも踏ん張る。トムは猫モフモフの体のまま獅子奮迅。自分がいかに今まで家族をないがしろにしてきたか、そんな自分を妻も娘もいかに愛していてくれたか、バカにしていた息子(先妻の子)も、高層ビル落成式典の夜、突拍子もない方法で男をあげる▼公開初週末に624万ドルをカウントした本作は、週末興行収入ランキング初出場6位になりました。ところが批評家からは酷評の嵐。「猫愛好家を猫嫌いに変貌させる」とまでバッサリ。そうかなあ。モフモフが可愛いし、トムが心を通わせようと猫の姿で七転八倒、ビュイ〜ンと宙返りするところなんか、猫魂さえ感じるわよ(笑)。きっと批評家のみなさんにはバカらしくて見ておれないのね。「いいのだ、そんなやつ、モフモフは相手にしない」とフェリックスならいうわよ。