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特集「新春ベストコレクション」

2018年1月9日

特集「新春ベストコレクション」②
アトミック・ブロンド(2017年 アクション映画)

監督 デヴィッド・リーチ

出演 シャーリーズ・セロン/ジェームズ・マカヴォイ/ソフィア・ブテラ

シネマ365日 No.2355

C・セロンのテーマ

新春ベストコレクション

シャーリーズ・セロンはフュリオサのスピンオフを熱望しているとニュースにありました。もちろん「マッド・マックス怒りのデス・ロード」のフュリオサ大隊長です。セロンはフュリオサに愛着があるのです。女性が女性を助ける、力を合わせて目的を達する、壮絶なアクションがある、悲劇がある、すべてセロンの好きなテーマです。陽光さんさんとしたハッピーな映画は、彼女、苦手なのよ。それにしてもなんでああ、アクションが好きなのだろう。生まれつきの身体機能に加えて本作のために、1日5時間専任コーチによるトレーニング漬けが3カ月続き、始めた頃は朝ベッドから起きられなかったと述懐していた。あの長い脚で思い切り蹴られたら、馬より痛いだろう。映画を見たらわかるけど、ドレスを着たときにむき出しになる、肩や腕の筋肉が美しい。オープニングそうそう、氷のバスタブから半身を上げたときの背中なんか、ボクサーみたいに鍛え上げていたわ。凄まじい身体造型ね▼映画もよかったです。スパイ映画だから、誰が味方で誰が裏切り者かわからない、ようにしてある。舞台は東西冷戦時代のベルリン。ベルリンの壁崩壊の直前である1989年だ。ベルリンに潜伏中の英国スパイが殺され、各国に潜入したスパイリストが敵側に渡った。イギリス諜報部M16に属するロレーン(シャーリーズ・セロン)は、リストを取り返すことと、M16に所属しながらソ連側と組んだ二重スパイ、サッチェルの正体を突き止める任務を帯びてベルリンに飛ぶ。M16ベルリン支部の責任者パーシヴァル(ジェームズ・マカヴォイ)と組んだロレーンは、東側陣営の脅威に向かっていく。ダークな映像に80年代のファッションや音楽が使われムードをあげる。監督は「ジョン・ウィック」で注目されたデヴィッド・リーチです。スタント・アクター出身であるだけにアクションシーンは斬新です。フィルム・ノワールの進化系と言われるのが、ネオ・ノワールと称される近代系。その中でもさらに進化したものが「ネオン・ノワール」と呼ばれ、本作がそれに当たります。犯罪映画が進化した形というのか、拳銃や金庫破り、ギャングとマフィアではなく、ハイテクと情報戦で国家レベルの機密を争奪する▼ロレーンは業務の経過報告のため、ベルリンの本部オフィスに呼び出される。彼女の上司にCIA幹部がいる。彼らはリストをまだ入手していない、サッチェルの正体もわかっていないと指摘して、ロレーンの業務怠慢を攻撃します。ロレーンは鼻でせせら笑い、自分らでどうにもならなかったから私を呼び寄せたのではないか、私にだけ仕事させてあなたたちは何をしている、と逆ネジを巻く。回想シーンが入ります。ベルリンにいるフランスの諜報部員デルフィーヌ(ソフィア・ブテラ)がロレーンに接近する。セロンは従来のスパイ映画との差異かで悩んでいたとき、デルフィーヌとの恋愛を挿入したらどうかとのアドバイスに納得し、早速取り入れた。デルフィーヌがロレーンに恋するのです。クールなロレーンがデルフィーヌにだけはやさしい目で見る…らしい。というのも、デルフィーヌがロレーンの腕の中で「真実を話すときは目の色が変わるのね」なんていうのです。どんな色かわかりませんけど▼セロンありきで作られたとはいえ、第一級のエンタメ、ミステリーです。セロンはプロデューサーでもありますから、監督の選定、キャスティング、制作進行、予算のすべてに関わっています。ベルリンの暗いムード、ただ一人心を許したデルフィーヌは殺され、しかも本部が糸を引いていた。ロレーンの怒りは爆発する。部屋に6人の刺客が送り込まれた。ロレーンはアイスペールに手を入れる。氷の下に拳銃が隠してある。まず正面の一人、その隣、振り向きざま背後の一人、伏せたまま、また一人、壮絶みな殺しだ▼ベルリンの幹部に「あなたは自分の失態を私に押し付けた。私にリストを取りかえさせ、仕事が終われば殺すつもりだった。私があなたにリストを渡すとでも思っているの? リストを持ってイギリスに帰国するわ。大殊勲ね。何を着て行こうかしら。女王さまのお茶会に」うなだれる男たちを横目に「ふ〜」高々とタバコの煙を吐く。最後にどんでん返しがあります。でも本作へのリスペクトのために言わない。シリーズ化、あるかもね。