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特集「最高のビッチ」

2018年1月25日

特集「最高のビッチ5」③へディ・ラマー
サムソンとデリラ(下)(1949年 歴史劇映画)

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監督 セシル・B・デビル

出演 へディ・ラマー/ヴィクター・マチュア

シネマ365日 No.2371

11月9日「発明家の日」

特集「最高のビッチ5」①ティルダ・スウィントン

サムソンは神通力を取り戻していた。神に祈っていたが、黒髪が伸びたからかもしれない。デリラに「神殿を支えている柱のそばに連れて行ってくれ」と頼む。デリラはサムソンを群衆にさも見せびらかすように首の鎖を引き、神殿の階段をゆっくり登る。柱と柱の間はサムソンの両腕を伸ばして届く狭さだ。「ペリシテを滅ぼしてダンの村を圧政から救う。今の俺にできることはそれだけだ。君は逃げろ」「いやよ。一緒にいる」「行くのだ」サムソンは目が見えない。「デリラ」と呼ぶ。「ここよ」と言いかけたデリラは口を抑える。女が去ったとみたサムソンは渾身の力で柱を押す。余興だと思っていた長官も観衆も、ヤンヤと囃していたが、ミシミシと石の柱にヒビが入り出し、やっとサムソンの狙いがわかる。右往左往しながら逃げ惑う群衆の上に壮大な神殿は音を立てて崩れ落ちる。デリラはサムソンのそばを離れず死を共にする。ただのイケズやヤキモチ焼きに終わるビッチのレベルではありません▼へディ・ラマーという女優は、容貌もシャープでしたがアタマもカミソリのようによく切れた。女優であるよりいまでは発明家としてのほうが有名です。19歳で兵器製造業者フリッツ・マンデルと結婚し、マンデルと一緒にビジネスの場に同席し、科学者や武器専門家と会うチャンスが多かった。もともと理系だったのだろう。嫉妬深い夫に嫌気がさしてパリに逃げた彼女は、第二次世界大戦期に作曲家のジョージ・アンタイルと連合国側の、通信妨害を受けないための初期的な無線誘導システムを開発し特許を取得した。結婚していた間に得た無線の知識が役だった。女優と作曲家というユニークなコンビネーションだった。実装が難しかったこともあったが、アメリカ海軍は軍隊の外から来た技術を取り入れたがらなかった体質もあり、1960年代になってようやくこの技術を導入した。符号分割多元接続Wi-Fiにも取り込まれている。彼女とアンタイルの功績はようやく認められ、2014年「全米発明家殿堂」入りを果たした。むろん二人とも没した後だ。ドイツ語圏の3か国(ドイツ・スイス・オーストリア)では、彼女の誕生日である11月9日を「発明家の日」として定めた。黒髪を真ん中で二つに分けたヘアスタイルはのちにヴィヴィアン・リーが「風とともに去りぬ」で踏襲しています。本作は1949年の最高興行収入を記録した。彼女は性の解放を謳った「春の調べ」でフルヌードとなり、当時としては大センセーションをかもした。嫉妬深い夫は彼女のヌードを誰にも見せまいと、フィルムを買い占め、当時の住居であるシュヴァルツナウ城(城ですよ!)に彼女を幽閉した、半ば強制的に映画界を引退させたという、すごいエピソードがいくつもついて回っている女性です。

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