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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2018年2月18日

特集 LGBT―映画に見るゲイ249
少女(2016年 ゲイ映画)

監督 三島有紀子

出演 本田翼/山本美月/児島一哉

シネマ365日 No.2395

三島監督の勝利

原作・湊かなえの「イヤミス」でアプローチしたのですが、やっぱり桜井由紀(本田翼)と草野敦子(山本美月)のダブル・ヒロインの、友情が主軸だと思いました。物語は盛りだくさんのエピソードで展開されますが三島有紀子監督は焦らず、手際よくまとめあげ見応えありました。本田も山本も、こんな顔の整った(すっかり大人という意味)高校生がいるかよ、と思ってしまうのがちょっとナンですが、目をつぶって差し支えなし。ふたりが「死体、死体」と死と死体に憧れすぎているのが耳障りなものの、「17歳と死」は監督が描きたかったテーマでもあり、それに、ラストシーンで、曰く因縁のケツをきっちりくくった綺麗な着地でした。由紀と敦子が自転車に相乗りし、「綱渡りの綱だと思ったのは、広い道の上に置かれてあった太いロープだった。夜の綱渡りは終わったのだ〜」と大声でいい、笑顔で思い切りペダルを漕ぐラストが、爽やかで安心しました(笑)▼中学の剣道大会決勝戦に敦子が負けたため、全国大会に出場できなかった、以来いじめにあい、高校進学後も暗い学校生活を送っている。由紀は子供の頃からの親友だ。同じ高校の同じクラスにいる。敦子がいじめにあっていることを由紀は知っていたが何もできなかった。敦子を主人公に小説「ヨルの綱渡り」を書き励まそうとしていた。由紀の小説が盗まれた。後日、国語の担任教師小倉(児島一哉)が発表した小説は由紀の盗作だった。掲載された雑誌を読み、由紀の作品だと直感した敦子は、小説ネタのために由紀が友情を装っていたのだと思い、今までの信頼に亀裂が生じる。児島一哉が才能を口先でごまかすのがうまい、いやらしい文学青年崩れを好演しています。とにかく「イヤミスの女王・湊かなえ」に恥じない伏線があっちこっちで絡み合い、最後に転校生紫織が遺言を残し自殺。なんで自殺したかというと、父親が淫行で逮捕され、いじめのターゲットとなったから。なんで淫行がバレたかというと、難病の小児病棟でボランティアをする由紀が、少年の最後の願いが「お父さんに会いたい」だと知って父親探しをやる。情報を与えてやると近づいてきた男が紫織のパパで、関係を迫られた由紀は、ボーイフレンドと急場をしのぎ、脱出。黙っていてやる代わり少年の父親の行方を白状させる。突き止めた父親は「偽痴漢」の犠牲者だった。今は介護施設の職員となり、その施設で敦子はボランティアをしている▼由紀と敦子は溝が出来て以来、会わないまま夏休みを迎え、別々の箇所でボランティアをしていた。由紀に会いたくてたまらなくなった敦子は、母親から由紀のボランティア先を聞き訪ねる。そこで見たのは、由紀が合わせた少年が父親の背中を刺し、過去のトラウマでパニックに陥った由紀だった。敦子は由紀の手を引っ張り全速力で施設から走り出る。敦子は決勝戦で足を傷めたように偽装していたが、今や韋駄天である。海辺の道を走りながら、幼いとき、同じ道を同じように由紀の手をとって走ったことを思い出す。海の見える丘まで走り、二人きりになった。由紀は「いじめられている敦子を助けられなかった。情けなくて自分なんか死んでしまいたかった。でもその前に小説を書いた」。盗作教師が自殺の寸前バラバラにした原稿用紙を、クラスメートが拾ってつなぎ合わせた一片があった。肉筆で書いた最後のページだ。「A子に捧げる」とある。「ボーイフレンドといる由紀を見て、自分には誰もいない、死のうと思った」。こういう具合に二人して「ヨルの綱渡り」をしていたのね。だいぶお話を端折りましたが、中心は以上です紫織の遺言は意味深だったが、かわいそうに、死んで花実が咲くものか。敦子と由紀は自転車で走っている。このシーンが三島監督の描きたかった「17歳・叙情の勝利」ですね。美人ふたりのせいでもないだろうけど、おしなべて映像は綺麗でした。