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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2018年2月19日

特集 LGBT―映画に見るゲイ250
アタック・ナンバーハーフ2 全員集合(2004年 ゲイ映画)

監督 ヨンユット・トンコントーン

出演 チャイチャーン・ニムプーンサワット

シネマ365日 No.2396

目の前の敵をつぶせ!

ジュン(チャイチャーン・ニムプーンサワット)、モン、ノン、ピア、ウィットのオカマ5人にストレートのチャイ、計6人のオカマチーム「サトリーレック」(鋼鉄の淑女)は、見事国体で優勝した無敵のチーム。しかしノンと補欠の三つ子が揃って、ライバル・チーム、ティップ・オーソットに移籍した。オーソットはノンにそっくりのノーン、三つ子まで揃えた「サトリーレックそっくりさん」で人気急上昇、ノンはキャプテンにおさまり、テレビに雑誌に、露出度急上昇。ノンと三つ子を失った本家サトリーレックは意気消沈、試合に勝てないドン底だ。ジュンはチームを立て直そうと、引退したピアを尋ねる。絶世の歌姫ピアの公演地は目下雲南省のターロだ。ジュンはチャイとふたり、台湾からはるばる旅に出る。チャイも家庭の危機にあった。オカマチームの一員であるため、彼もゲイだと思われ、妻が疑いの目で見るようになったことだ。不信が募り、妻はふたりの娘を連れて実家に戻った。チャイはいっそチームから抜けようかと悩むが、ここで主将の自分が去ればチームは崩壊、一刻も早く立て直し、強いサトリーレックに戻ることで、チームメイトも自分も生き返る、そう思って復活に賭けることにした▼結論を言えば、ノンはジュンの愛情とチームの友情によって再びサトリーレックでプレーする。ピアも加わり息を吹き返したサトリーレックは実力発揮、ぐんぐん勝ち抜き、決勝戦で宿敵オーソットと対決します。おなべのビー監督は「私に教えることはない。君らの中にあるものがカギだ。相手が誰かは関係ない。目の前の敵を潰せ!」檄を飛ばす。「やるしかないぞ」とチャイ主将。「どっちが本物か見せてやるのよ」「美しいだけじゃなく、わたしたちは強いのよ!」「行くぞ、サトリーレック!」全員心を一つにいざ、コートへ。「ニセモノめ!」「ノンケやろう!」。コートはたちまち戦場と化す。一点差を追う激戦のファイナルセット。逆転のスパイクが決まりサトリーレック逆転優勝! しかし審判はタッチネットを取り勝利はオーソットに。茫然自失。言葉もない自軍チームに監督は明るく声をかけた。「よくやった。戻っておいで」。場内からオカマ応援団が叫んだ。「サトリーレック!」一人が立ち上がり、ウェーブが起こり、耳を聾する歓声が沸き起こる▼正直にいうと第一作には及ばない。ピアに会いに行く雲南の旅の途中、5人との出会いとオカマチーム誕生に至る、ジュンの大学時代が語られるが、あってもなくてもどっちでもいいプロセス。偏見の中で朗らかに生きるジュンや、息子を誇りに思うジュンの両親、あるいはビー監督の堂々たる抗議申し立てなどが、活写されていた第一作に比べ、トーンダウンは否めない。しかし考えようによっては、第一作から3年、LGBTに対する考え方や見方が変わり、ダイバーシティの取り組みが進み、マイノリティが社会から異端視されることが少なくなったのかもしれません。ピア姐さんは相変わらずの美貌、雲南でスポンサーを見つけ「ブーだけどよくしてくれるのよ」と幸福そう。チャイ主将の妻も決勝戦には娘二人を連れ、夫の応援に駆けつける。ジュンの家からはもちろん両親がかぶりつき。彼らがバレーボールで得たものは、どんな勝利より、「目の前の敵を潰す」美しく強い生き方だったはず。多少の物足りなさは目をつぶろう。