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特集「春が来た、3月のベストコレクション」

2018年3月12日

特集「春が来た、3月のベストコレクション」⑫
エイリアン コヴェナント(上)(2017年 SFアクション映画)

監督 リドリー・スコット

出演 マイケル・ファスペンダー/キャサリン・ウォーターストン

シネマ365日 No.2416

完璧な生命体

特集「春が来た、3月のベストコレクション」

プロメテウス」の続編です。冒頭シーンはプロメテウス号に乗り込むアンドロイド、デヴィッド(マイケル・ファスペンダー)が創造者である父に「あなたが私を創ったならあなたは誰が創ったのか」この哲学的な問いに父は「我々はどこから来たのか。私は人類の起源が分子の組み合わせの副産物だとは信じない」と答える。これはリドリー・スコット自身の思想でもあります。したがって「プロメテウス」と本作はスコット監督の哲学と世界観が圧縮されています。それでなくとも凝り性かつ完璧主義の監督のライフワークですから、もうコテコテの思想劇といっても言い過ぎではない。この映画のために「プロメテウス」をもう一度見なければならなかったくらい▼話を整理するために前作との関連にふれると、考古学者のエリザベス・ショウ博士は古代の星図を発見し、種の起源となる未知の惑星の存在があると仮定します。星図の示す惑星を目指し探索宇宙船「プロメテウス」は発進した。同船にはスポンサーであるウィンランド社の重役にして探索隊責任者のメレディスが乗船している。これがシャーリーズ・セロンでした。創造論的発想のショウ博士に対し、メレディスは現実的でこの計画自体に懐疑的でした。たとえ人類の起源である異星人(エンジニアと劇中呼ばれます)に遭遇しても、コンタクトを取るなと指示します。ワケわからんやつの相手になるな、ということですね。本作では結果的に彼女の主張が正しかったと判明します。目的とする惑星に到着したところ、そこはエンジニアが開発した「生物兵器」(遺伝子を改変して怪物にする)の製造工場で、エンジニアはその怪物を使って地球を滅ぼそうとしていた。乗組員はエンジニアと怪物相手の死闘で全滅、ただ一人生き残ったショウ博士はアンドロイドのデヴィッドと脱出し、エンジニアの母星を突き止めるために新たな宇宙の旅に。その10年後が本作ですエイリアン・シリーズの共通事情として「見知らぬ惑星」「正体不明の生命体」(洞窟の卵とか)、「探索艇と母船が嵐による通信不能」「怪物の異常な成長」「それによる襲撃」「人体に植え付けられた怪物の卵」「チームはほぼ全滅」「かろうじて一人か二人が母船に戻るが、怪物はちゃっかり人体に潜んで侵入する」という一連のコマ運びはほぼ同じ。「コヴェナント」乗組員の一人、アンドロイドのウォーター(ファスペンダー二役)がデヴィッドから経緯を聞きます。「ショウ博士と脱出した艇には死の病原体が詰め込まれていた、着陸時の衝撃で博士は死亡、積み荷が飛び散り、この星のエンジニアは全滅した。私は10年間一人だった。その病原体は非植物性の生命体を狙う。あらゆる動物、つまり肉体に感染し、産まれた物体は宿主をすぐ殺すか培養器として支配種を生み出させる。私はここで完璧な生命体を創りあげた」。簡単に言うと彼はショウ博士を殺し実験台にしてエンジニアの遺伝子との組み合わせを繰り返し、超絶殺戮力の怪物「ネオモーフ」を創造した創造したっていうけど形象は歴代エイリアンをちょっとスマートにしたようなものです。重苦しい楕円の頭はそのまま、マウス・イン・マウスも同じく。ジャコメッティの彫刻のようなひょろ長い体躯に、アメンボウのような何本かの手足が生えている、それが違いといえば違いだ。