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イベントガイド

2018年4月13日

劇団古事語り部座ワークショップ
~かつて大和郡山には歌劇団も巨大紡績工場もあった!?~

9歳から84歳まで。みんなでつくる一つの舞台

劇団古事語り部座ワークショップ ~かつて大和郡山には歌劇団も巨大紡績工場もあった!?~

 

劇団カムカムミニキーナ主宰の松村武さん率いる大和郡山市のアマチュア劇団「古事語り部座」。これまでの公演も毎回大好評で、今年もさる210日団員募集を兼ねたワークショップがDMG MORIやまと郡山城ホールで開かれました。

 

この日の参加者は43名。これまで古事語り部座で活躍してきた慣れたメンバーもいる反面、ほんとうに今日が初めてという人も。そのためワークショップでは、まずは自己紹介を兼ねたゲームから始まりました。松村さんのかけ声にしたがって、声を出し体を動かしていくうちにどんどん動作が大きくなって・・・(写真参照)。気が付けば全員すっかりうちとけて、笑い声が絶えない状態になっていました。まさに、松村マジック!

 

心と体がすっかり上気したところで、いよいよ本格的な課題が松村さんからだされます。それは数人のグループになり、提示されたタイトルに見合ったジェスチャーを一瞬でとること。みんなの身体表現をスクリーンショットで切り取っていくようなイメージでしょうか。

 

「運動会!!」「夏休み最後の日!!」これは難しいのではと思う間もなく、参加者は次々と要求に応えていきます。すっかり気持ちがほぐれているせいか、ためらう人もいないのが不思議。グループごとに、松村さんが「それは『宿題しているところ』だね」「なるほど!」などと短いコメントを出していきますが、わかりにくい表現に対する確認はあってもいわゆる「ダメ出し」はありません。

 

この舞台の上では、否定されることなく丸ごと認めてもらえるという安心感が、みんなの積極的な表現につながっているのでしょうか。ほほをピンク色に染めた初参加の小学5年生の女の子は「舞台を一度やってみたくて参加しました。(いろいろできて)すごく楽しい。」と、また前回の公演も参加した壮年男性は「幅広い年代の人たちと知り合い、表現できるのが嬉しいですね」と、それぞれその魅力を語ってくれました。

あらすじ、タイトル全て未定!

劇団古事語り部座ワークショップ ~かつて大和郡山には歌劇団も巨大紡績工場もあった!?~

 

「古事語り部座」は2012年より「歌劇古事記(ふることぶみ)」「郡山千本桜」「歌劇ちゃもり」と公演を重ね、今回は大和郡山の昭和史に取組みます。ワークショップの後半、松村さんから提示された昭和史の切り口は3つ。郡山の金魚。歌劇団。紡績工場。

 

最終段階ではいよいよそれらの切り口にそってグループに分かれ、いくつかの「スクリーンショット」を発表。話し合いと想像で練られたシーンが次々披露されました。その出来栄えに松村さんも感心のコメントしきり。しかし「次回は、ご家族や周りの人に当時のことを聴いたり、古い写真を探したりして、さらに独自の表現を加えてください」と宿題がだされました。松村さん曰く「まだタイトルも、あらすじも決めていません。これから、みんながどんな意見を出してくるか…。」これがいつものやり方だそうです。「その方が面白い。もう、びっくりするようなシーンがでてきますから」

地元のアマチュア劇団にだけできる「とても大きなこと」

「なぜ市がアマチュアの劇団を?」と多くの人が思うかもしれません。その疑問に松村さんは明解に答えてくれました。「その土地に住む人だからこそ、年長者や周りに聞いたりして見出せる“できごと”があるからですね」。そして「地元に隠れたさまざまな過去を自分たちで発掘し、多くの人に伝えていく、それは住む人の誇りに繋がっていくんじゃないか」と。

 

そういう「埋もれた過去」を受け渡していくことが「文化」ということなのかもしれません。松村さんは「だから僕自身はできるだけ口をはさむことがないようにと思っています。そのほうが確実にいいものができるんです」と続け、これから発揮される参加者の潜在能力に期待を寄せていました。

 

ワークショップ中、小学校高学年くらいの女の子のグループが、彼女たちの母親世代のチームのジェスチャーを、食い入るように見つめていました。初参加でどうすればよいのかわからなかったのでしょう。女の子たちは、普通なら親世代には反抗したい年ごろ。にもかかわらず真剣なまなざしを注ぐその姿を見たとき、こうやってこの場でも文化が受け渡されていくのだなと、この集団の存在意味があらためて分かった気がしました。

 

上演予定は来年2019年。団員は現在も募集中。詳しくは0743-54-8000まで、お問い合わせください。さて、どんな大和郡山の昭和に出会えるのか、楽しみです。