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特集「怖いものみたさ」

2018年4月17日

特集「怖いもの見たさ」⑧
ダークチャイルド 血塗られた系譜(2002年 劇場未公開)

監督 フランシス・プラサ

出演 エリカ・プリオーツ

シネマ365日 No.2452

汝、殺すなかれ

怖いもの15-18

冒頭からいろいろ事件がありましてね。ヒロイン、ダニエラ(エリカ・プリオール)が子宮の検査をしています。彼女の誕生日に父親が自殺する。精神病院にいる母親に知らせに行くと、母親はダニエラをジョセフィンと呼ぶ。父親の遺体が墓から盗まれ、裸で串刺しという無残な姿でゴミ捨て場から発見された。父のメモを手がかりにダニエラはハリスという男を貧しいアパートに尋ねる。彼は顔半分にひどい火傷の痕がある。ダニエラは彼の部屋に無断で侵入し、壁一面に自分の写真が貼られているのにゾッとする。ダニエラは「真実を教える」という電話を受け、指定のホテルに行くと待っていたのは神父。「すべては復讐の儀式だ」というのだ▼宗教と復讐を持ち出されたら日本人には、いや私にはかなわんなあ、と思ったのですが、スタートから丁寧な作り込みで、きっと面白いに違いないと期待させてくれました。神父によれば旧約時代から存在するアブラハム派には固いルールがあり、最初の子は神に捧げねばならない、君の父親はそれを破ったからルール違反で殺されるところだったが、自分で死んでしまったのだ…お話はまだまだ複雑ですが、作品はそれらのややこしさを、うまくミスリードに仕立てています。続いて母親も自殺する。糖尿病を患っていた神父はホテルで死んでいた。ダニエラは真相を追いながら、母親が告げた名前ジョセフィンは流産した子で、亡骸が庭の木の下に埋められていた。ジョセフィンが第一子であり、彼女が亡くなった後、ダニエラは養子としてもらわれてきたが、実の父がハリスだった。養子でも第一子であるから殺されねばならない、父親は教義を無視してダニエラを育て、復讐を断つべく自殺したというのだ▼父親の友人にヘイスティングスというおじさんがいます。彼女の娘クリスティーンとダニエラは親友で、生まれる子はガブリエルと名付けるとクリスティーンは決めていた。ダニエラは第一子を殺すならきっとクリスティーンも狙われるはず。思った通りでダニエラが駆けつけると、ヘイスティングス家は鎮痛な静けさ。奥の部屋に小さな白い包みがベッドにあり、ガブリエルは死んでいた。よろめきながら入ってきたクリスティーンは「あなたが殺したのね」とダニエラに詰め寄る。すべての仕業はヘイスティングスの策略で、ダニエラが受けていた子宮の検査は避妊手術だった。裏切り者の娘に子供は産ませないということなのね。ダニエラは鎮静剤を飲まされ、警察に。幼児殺人に問われるが精神喪失を理由に病院に隔離された▼ひどい話ね。よく分からない支離滅裂な教義はこれからも継続されていくわけ? 人道無視がストーリーのオチだなんて、ひたすらダニエラがかわいそう。ひどい教義から生まれた子を救おうと、駆けつけたダニエラが罠にはまり、むざむざ精神病院で、監禁か薬殺かになる。イかれた教えに羊のごとく従う、おっさんやおばさんの中で、唯一まともだったヒロインを葬るというこの顛末はいただけないわ。それほど教義だ、教えだと盾にとるなら、汝、殺すなかれという神のルールはどうするつもりなのよ。