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特集「B級映画に愛をこめて」

2018年5月5日

特集「B級映画に愛を込めて8」⑤
ボーイ・ミッシング(2017年 ミステリー映画)

監督 マル・タルガローナ

出演 ブランカ・ポルティージョ

シネマ365日 No.2470

これが衝撃か?

B級映画に愛を込めてⅧ

永遠の子供たち」のスタッフが結集したといったって、つまらないものはつまらないわよ。大筋は、誘拐された小学生の息子ビクトルが森の中で保護された。頭に傷を負い血だらけだった。息子のいうモンタージュで警察は容疑者チャーリーを特定したが、証拠不十分で釈放した。母親パトリシア(ブランカ・ポルティージョ)は敏腕の弁護士だ。警察のやり方は手ぬるい、再度、息子が襲われないよう、容疑者を脅してくれと元夫ラウルに頼む。しかしチャーリーにはアリバイがあるとわかった。脅しを中止してくれとメールを入れるが、ラウルの手配した男ふたりがチャーリーを襲撃し、脅すつもりが殺したとパトリシアのケータイに入った。彼女は慌てる。元夫は「俺に知ったことではない」と取り合わない。恐喝男たちは高飛び用に600万(単位は不明)用意しろ、できなければ警察にばらすという。パトリシアは検事か判事かの先輩に手を回し、警察の捜査の動向を教えて欲しい、彼らの動きが分かったら先に手を打てるといい、家やら何やらを担保に現金をこしらえる自宅に置いておくと危険だから、家政婦と息子を山小屋に逃がす。男たちはちゃんとそこで息子を拘禁する。パトリシアは金を持って指定の場所に行き、男たちは「あばよ」。息子は気を失っているだけで無事、家政婦もそう。警察も到着した。妙なところからケータイの着信音が聞こえる。バンの荷台を開けると、殺されたはずのチャーリーが縛られ、恨めしそうな顔でパトリシアを見つめる。真相はこうだ。子供は学校でいじめにあっていた。ある日クラスの数人に囲まれ森に連れて行かれた。息子は耳が不自由だ。補聴器が外れ、動転した彼は乱暴されてショックから気を失い、さまよっているところを保護された。男に誘拐されたというのは嘘である。警察の尋問が「誘拐ありき」から始まったので、聞こえない耳と手話で曖昧な返事をしているうち「どんな男だった、何か覚えていないか」と次々質問されるうちモンタージュ写真になった、かもしれないが、はっきり誘拐じゃないといえば何も問題は起こらなかったのに、子供の嘘に振り回されたことになる▼あとは母親の暴走だが、それにしてもおかしい。弁護士がここまでトチ狂うだろうか。監督・脚本及び製作陣が彼女を狂わせてしまったのは、多分「母親」だから、子供のためにはどんなこともやる、ということにしたのだ。「父親」だったら、こうまでバカげた思い込みをさせただろうか。真犯人はチャーリーだ。元妻が頼み込んできた脅しを幸い、ワルの仲間を使って一芝居打った。彼は借金で首が回らなかったのだ。彼はちゃっかりチャーター機で妻・子供と揃って国外逃亡。パトリシアは断崖に立って絶叫する。かわいそうなのは濡れ衣を着せられボコボコに痛めつけられたチャーリーだろう。彼はムショ帰りだ。臨月の妻がいる。いい奥さんだ。心配事があるなら私に言うのよと再三夫に頼むが夫は隠し通す。たかが闘犬賭博でまさかムショ行きではないだろう。常識では(おかしい)としか考えられない筋運びでこの映画は成り立つ。どこに「衝撃のサスペンス」があったのだ。引き合いに出された「永遠の子供たち」が泣くよ。母親役とチャーリー役は貧乏くじを引いたというしかない。