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特集「B級映画に愛をこめて」

2018年5月4日

特集「B級映画に愛を込めて8」④
ファインド・ミー(2016年 日本未公開)

監督 ザック・ウェドン

出演 アナベル・ウォーリス/アーロン・ポール

シネマ365日 No.2469

失踪した恋人を探す

B級映画に愛を込めてⅧ

難解なために意味不明な映画はたくさんあったけど、難解でもないのにワケわからない映画ってあるのね。日本劇場未公開、やむなし。アナベル・ウォーリスは「ザ・マミー呪われた砂漠の女王」「アナベル死霊館の人形」またまた「アナベル死霊人形の誕生」とか、呪いと怪奇映画に連続出演。「キング・アーサー」も大掛かりなファンタジーでした。本作ではアマチュア・カメラマンとはいうものの、正体は謎の女性。グラフィック・デザイナーのデヴィッド(アーロン・ポール)と恋に落ち、幸福な恋人同士としてつつがなく暮らしていた。ある日クレアが失踪する。デヴィッドは探し回るが行方は知れない。そして一年、探索を続けるデヴィッドはクレアの残したフィルムを手がかりにバンクーバーに飛ぶ▼クレアの友達だという黒人の青年が現れ、デヴィッドの留守中、部屋の壁を叩き壊していたり、デヴィッドが襲われたり、追跡されたり、「政府の者だ」と名乗る男が現れ、「クレアは死んだ、これ以上詮索するな」と言って遺体写真を見せたり、あの手、この手でデヴィッドに手を引かせようとする。その一方で隠している物を出せとか、デヴィッドに全く心当たりのない要求をふっかける。彼女は秘密の仕事を請け負うヒットマンか、政府お抱えの暗殺者か、大変な仕事を抱えているらしいとわかってくるが、知らない男が出現するたび、デヴィッドは拷問され、殴られ、締め上げられ、殺されかけてボコボコになる。再三の脅しにもかかわらず、クレアは生きているとデヴィッドは確信する。ところがそのクレアの生きている根拠が全く提示されない。デヴィッドばかりがひどい目にあっているだけで、面白がれといわれても無理ね。時系列に無関係に(ト思われる)回想シーンが随所に入り、幸福だった頃の二人の笑顔がスクリーンいっぱいに。そんなもの、しつこく出してくれんでもいい、肝心のクレアの正体、もしくは本業とその顛末を教えろ! 現れては消える出所不明の男たちは、秘密組織の一員らしいけど、どう見ても下っ端ばかりだし▼いちばん重要な、クレアが失踪した原因がわからない。最後までわからずイジイジしていたのは私ひとりか。ひどいことにそのクレアがひょっこり姿を現わすのだ。こんな没義道(もぎどう)なヒロインってありか。デヴィッドを抱き合い、フィルムは「私の命綱よ」と言ったかと思うと窓から外をジロジロ見て「囲まれたわ」…な、なんだっていうのだ、囲まれるに至る、それらしい説明はないのか。わからんのか、チェッ、お前のアタマが悪いのだよと言われているみたい。クレアとデヴィッドはガンガン拳銃を撃ちまくっていたが「表も裏も塞がれた」「どっちが手薄だ」「似たようなものね」「君が選べ」で、決めた出口に「1、2、3」で飛び出そうと決め、包囲する車の前に突っ込む。「明日に向かって撃て」と同じラストですが、余韻もなし、余情もなし、説得力もなし▼クレアが失踪してからの詰めがデヴィッドの「追いかけ」一辺倒で退屈した。失踪した女の謎がこの映画の骨格であるはず。だったらもっと女の情報や伏線を与えながら、絵解きに持っていくのがミステリーの面白さだと思う。アーロン・ポールは「パパが遺した物語」で、アマンダ・セイフライドの恋人である作家志望の青年を演じています。たったひとつ、目が覚めたらベッドからいなくなっていた恋人を、ここまで探せる青年がいることに感動しました。