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特集「ザ・クラシックス」

2018年5月7日

特集「ザ・クラシックス6」②
オーロラの彼方に(2000年 ファンタジー映画)

監督 グレゴリー・ホブリット

出演 ジェームズ・カヴィーゼル/デニス・クエイド/エリザベス・ミッチェル

シネマ365日 No.2472

愛と平和と安らぎの家族

特集「ザ・クラシックス6」

ニューヨークで80年ぶりのオーロラが観測された1969年の夜。太陽フレアの活性化による異常気象だという。消防士のフランク(デニス・クエイド)は地下変電所で起きた火災の消火・救援に向かい大爆発の寸前、救出に成功、無事家に帰り、家族とともに平和な夜を過ごした。その後、フランクは倉庫の火災事故で殉職する。30年後の1999年、ニューヨークで再びオーロラが現れた。ジョン(ジェームズ・カヴィーゼル)は死んだ父親のことを考えていた。遊びに来た友人とその息子が古いガラクタ箱を開けると父親の遺品であるマチュア無線機が出てきた。ジョンは一人になって電源を入れると誰かと繋がった。男はCQ15と名乗ったが、それはジョンが今操作している無線機だった。無線機の男はジョンしか知らない父の呼び方「チビ隊長」といった。無線機の向こうにいる男は30年前に死んだ父親だとわかる。だが父は翌日倉庫の消火活動に加わり殉職するのだ。ジョンは「脱出の方法を変えれば助かる」と教えるその夜、ジョンは夢でうなされた。誰かの葬儀に父と一緒に参列している。離れて暮らす母ジュリア(エリザベス・ミッチェル)に電話すると、いつもはつながる番号がバーに変わっていた。家族写真で一緒に写っていた母親が消えている。翌日ジョンは署で(ジョンは警官)30年前の連続殺人事件、看護婦ばかりを襲ったナイチンゲール殺人事件の被害者ファイルの中に母親が混じっていることを発見する。本来死ぬはずの父親を救ったことでタイムパラドックスが発生し、母親が被害者になるという事態に変わってしまったのだ。ジョンは無線で父と交信し、親子で連絡を取り合いながら、30年前に遡り、母と、殺人鬼の犠牲になった女性たちを救おうとする。ここから映画は犯人を割り出し、追い詰めるミステリー・サスペンス仕様に変わります。この中盤からが見どころです▼タイムパラドックスと言われても、本当にそんなのがあるのかどうか知りません。解説によればあるらしいけど。でもパラドックスのきっかけになったのがニューヨークのオーロラ発生という異常気象だった、というのがいかにもそれらしい。人知の及ばぬところで異変が生じるのですから、ケチをつけても仕方ないって気がするもん。犯人の手がかりをつかんで追っていくプロセスも緻密ですし、無線による肉声のやりとりというアナログが臨場感をあおります。パソコンのデータ入れて検索「ホイッ」「でたッ」って調子ではないのですよ。犯人はつかまり事件は解決、母の殺しは免れたはずなのに、写真の中に母親の像は戻っていない、すなわちまだ助かっていない、殺されたままだ、えーい、やり直しだい。オーロラが薄れていく、異常気象が正常に戻れば交信の電波は繋がらない、親父も息子も血眼で真犯人めがけ、肉弾相打つアクションが展開される、迫力あるぞ▼シーンは30年後の現在、白髪になった父親と母親がジョンの息子の野球試合の応援をしている。パラドックスは変えられたのだ。さんざんハラハラさせられた結果の、愛と平和と安らぎの家族像、値打ちありますね〜。母親を演じたエリザベス・ミッチェルは本作のあと「ジア」に。ジア(アンジェリーナ・ジョリー)の恋人であるリンダを好演しました。グレゴリー・ホブリット監督はデンゼル・ワシントン主演の「悪魔を憐れむ歌」、リチャード・ギアとエドワート・ノートンが法廷で騙し合いの火花を散らした「真実の行方」などの佳品があります。