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特集「最高のビッチ」

2018年5月22日

特集「最高のビッチ6」②セニア・ナヌマ1
ディストピア パンドラの少女(上)(2017年 ホラー映画)

監督 コーム・マッカーシー

出演 ジェマ・アータートン/グレン・クローズ/セニア・ナヌマ/パディ・コンシダイン

シネマ365日 No.2487

人間は滅びる

0521_25最高のビッチ6

見ごたえのある映画です。ヒロイン、メラニーを演じるセニア・ナヌマはオーディションで決まった少女です。彼女が出演する日本公開の作品はまだないから、ほとんどの人が知らないと思います。で、何がよかったかといって、彼女のラストのこのセリフね。「人間の世界じゃなくてもいい」。透徹したサバイバルの捉え方にしびれたわ。もちろん脚本と監督がよかったのだけど、俳優陣も豪華よ。「アンコール」「ボヴァリー夫人とパン屋」「人生はシネマティック」など、話題作の準主役・主役が尻上がりに増えてきたジェマ・アータートン、久しぶりのグレン・クローズ、「パレードヘようこそ」「マイ・ベスト・フレンド」のパディ・コンシダインがヒロインの脇を固めます▼オープニングがいい。暗い無機質な部屋が並ぶ軍の施設。独房に入れられているのはみな同い年くらいの子供だ。メラニーもその一人。「朝だ、起きろ、移動だ、さっさとしろ、グズども」口汚く兵士に罵られながら車椅子で講義室に行く。なぜ車椅子かというと手足を縛り付けて拘束し、口も声だけでる空間を開けて防具で塞ぐからだ。彼らは「第二の子供」と呼ばれる。未知の細菌に感染した人間はハングリーズと呼ばれ、人肉を求め、噛まれた人間もハングリーズ化する。彼らは意志表明を奪われ言語が喋れず、音に反応し、人間もしくは動物を襲い、肉を貪る。コールドウェル博士(グレン・クローズ)はワクチン開発まであと一歩にこぎつけた。教室ではヘレン(ジェマ・アータートン)が「第二の子供たち」に勉強を教えている。彼らはハングリーズに噛まれた妊婦から産まれた、いわば人間とハングリーズのハイブリッドだ。人肉を好み攻撃性はあるが思考能力と学習能力は保持する。特にメラニーの知能はずば抜けていた。兵士たちは「見せ掛けだけ人間で不気味なガキどもだ」と子供たちを毛嫌いするが、ヘレンは子供たちに残る人間性を尊重し、メラニーの能力を認めていた▼しかしそのメラニーが博士の実験材料となる。脳と脊髄を摘出するのだ。ヘレンが「どんな作文を書いたの。読んでごらんなさい」メラニーは女の子がやさしい女性に出会い「彼女は女の子に言いました。いつも一緒よ。あなたを一人にしない。そして二人は幸せに暮らしました」。ヘレンは涙ぐむ。メラニーにその日はこない。もうすぐ解剖されるのだ。折しもハングリーズの群れが研究所を襲う。博士とヘレンと兵士の上官エディ(パディ・コンシダイン)はかろうじて装甲車で脱出する。ヘレンはメラニーも連れて行く。博士の説明によれば「ハングリーズは真菌感染症なの。原因はタイワンアリタケ。体液を介し感染し集団で行動する。なぜかはわかっていない」。メラニーがポツンという「寂しいからよ」。音や動きに反応するハングリーズの群れの中を、メラニーたちは体にジェルを塗って匂いを消し、物音を立てずロンドンまで徒歩で行く。途中、無数の菌糸の絡まった塔のような大木があった。いくつもの胞状の袋があり、袋が破れて菌糸を放出すれば、ウィルスは空気に運ばれ世界中の人間に感染し、人類は地を払う。