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特集「最高のビッチ」

2018年5月23日

特集「最高のビッチ6」③セニア・ナヌマ2
ディストピア パンドラの少女(下)(2017年 ホラー映画)

監督 コーム・マッカーシー

出演 ジェマ・アータートン/グレン・クローズ/セニア・ナヌマ/パディ・コンシダイン

シネマ365日 No.2488

なんたるビッチ!

0521_25最高のビッチ6

博士はメラニーに言います。「あなたたちのような第二の子供は菌に支配されず、共存していると考えられる。だからワクチンは第二世代からしか作れないの。あなた次第なのよ、メラニー。ワクチンが開発されればヘレン先生に、長く充実した人生を与えることができる」。大好きな先生を助けようとすれば、メラニーは犠牲にならねばならぬ。「先生に伝言を」と博士はメッセージを促す。メラニーが尋ねます。「なぜ人間のために私が死ぬの?」。彼らは移動式実験室にたどり着いていました。ここなら解剖できる、負傷して残り時間の少なくなった博士は、麻酔ガスでヘレンやエディを眠らせ、外科手術を急いでいるのです▼メラニーは「ここにいて」と博士に指示し、単身、実験室の外に出ます。ハングリーズが遠巻きにし、メラニーに手出しをしない。彼女が一群のボスを倒してしまったからです。塔の大木に来てメラニーは火炎放射器で炎を吹きかける。壮大な炎上によって菌糸は延々と空に舞い上がった。人類の終焉だ。驚愕して外に出た博士はハングリーズに襲撃され餌食となる。エディもやられてしまった。メラニーはつぶやきます。「人間の世界でなくなっただけよ」。自らを犠牲にして人類を救うかと思いきや、「なぜ人間のために私が死ななきゃならないの?」あっさり否定し、世界中に真菌をバラまく。それによって人類が破滅しようと、次には「人間でないものが支配する世界がくる」それだけだ。わずか何万年か、何十万年かしらないが、人類が進化し、人間が君臨した地上は滅びたらよい、私の自己犠牲を当てにするなんて、冗談もほどほどにして…なんたるビッチ!▼メラニーがたった一人感染から保護した人がいた。ヘレンです。彼女は広いガラス張りの隔離室にいて、スピーカーで外と話せる。もちろんメラニーは自由に出入りできる。部屋の前の広場には、生き残ったハイブリッドたちが集まり、にわか教室でヘレンの講義を受けている。メラニーは高度なIQを持つ、第二の子供たちによる「第二の人類」創出を目指すのでしょうか。それともヘレンと一緒に幸せに過ごす人生を実現させるのでしょうか。わかりません。わかりませんが、感傷的の微塵もない選択です。彼女は愛や「あわれ」を知るでしょうか。ヘレンはそれらを伝えることができるでしょうか。人間は滅びてしまった。愚かだったかもしれない。でもそれだけじゃなかった、あなたを身ごもり、自分以上に幸せであるように祈った母や家族が、死に絶えたそれぞれの人間と、それぞれのハングリーズにもいたのだ。乾いた結末ですが、ヘレンが命がけで解剖死から守ったメラニーへの情愛を、メラニーは感じ取っていたように思えます▼グレン・クローズ、相変わらず衰えのない容貌でした。知的でスッキリして、インタビューに答え、この映画を見て「人間である意味や人類が地球に何をしたか、滅びざるをえなかったのなら、解決策を探ってほしい」と投げ返しています。ジェマ・アータートンは「グレンと共演と知りビビッタが、最初の日ハグされて感激した」。そのグレンをして「セニアは全然臆さず、かなり威張っていたわよ」後世恐るべし。