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特集「最高のビッチ」

2018年5月29日

特集「最高のビッチ6」⑨ジュリアン・ムーア
キングスマン:ゴールデン・サークル(2018年 コメディ映画)

監督 マシュー・ヴォーン

出演 コリン・ファース/タロン・エガートン/ジュリアン・ムーア/マーク・ストロング

シネマ365日 No.2494

サイコ女とハゲ萌え

最高のビッチ

オスカーのウィナーとノミナーを続々投入した割には軽すぎ。途中寝てしまったわ。バカ派手なアクションが、ゲームセンターの騒々しさとそっくりなのよ。小道具はカバン型ライフル、通信万能メガネ、ライター手榴弾、アフターシェーブ・ローションは爆弾代わり、凶暴なロボット犬とか腕サイボーグとか、いろいろあるけど、いかんせん、バタバタ人が、それも主役級が殺されることと、オスカー組がちっともそれらしくない役柄なのと(ジェフ・ブリッジスなんか、なんのために出てきたのかわからない)全体のトーンがうざくて、ひとつも盛り上がらない。今回の目玉はハリー(コリン・ファース)の続投と復活であったはず。前作はキレキレのアクションを見せたコリンが話題沸騰した。本作ではどうか。酒場のドアをロックし、悪党どもを閉じ込めた、そして「紳士たるもの」の決めセリフを言う、さあやってくれるぞ、と思ったら脳に蝶の幻が浮かんでよろよろ。腰砕けもいいところよ▼ハル・ベリーも男たちの助手に甘んじただけで、魅力的な存在とは少しも言えない。エルトン・ジョンは極彩飾のゲイの装束で、巨大な鏡餅みたいな体をくねくね、顔がドアップになったときはホラーかと思った。もう一人のオスカー女優がジュリアン・ムーアだ。麻薬で世界制覇をもくろむ、ポピー・アダムスに扮する。彼女はカンボジアの奥地に、本拠を置くゴールデン・サークルの総帥。世界最大のドラッグ・カルテルを率いるのだ。ヘロイン、コカイン、大麻、LSD。ありとあらゆるドラッグを扱い、年商2500億ドル。本拠地ポピー・ランドにはアメリカのポップ・カルチャー満開、トロピカルなトーンでいたるところケバケバだ。何と言っても最大のグロテスクは人工ミンチ製造機だろう。「私の権威は絶対なの。命令に従って」そう言って、手下の一人をミンチ機に入れよという。逃げようとすればロボット犬に咬み殺される。頭から逆さまに機械に入れられた男は、赤いひき肉となり、ポピーはそれでハンバーグを焼くと、どうぞ、と新入りに勧める。食べなかったら殺される。巨万の富を得たものの、ポピーは多くの国で麻薬が非合法の存在であるゆえ、カンボジアから出ることができない。そこで世界に殺人ウイルスをばら撒き、解毒剤と交換に麻薬の合法化を認めよとアメリカ大統領に脅しをかける、とマア、この調子でジュリアンはサイコ女を嬉しそうに怪演するのである▼もう一人、見ごたえのあった役者をあげよう。キングスマンの支柱、マーリンを演じたマーク・ストロンガーです。「裏切りのサーカス」「ゼロ・ダーク・サーティ」で味のある脇をやり「記憶探偵と鍵のかかった少女」で主演。ズラをつけてハゲを覆う必要などない。植毛などチンケな真似は言語道断。端正な容貌をいや増しに特徴づけるあのアタマ。ハゲ萌えこそが、彼をここまで押し上げたのです。