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特集「サイコパス」

2018年6月5日

特集「サイコパス」⑤ ミラ・ジョヴォヴィッチ
THE 4TH KIND フォース・カインド(2009年 SF映画)

監督 オラントゥンデ・オスサミン

出演 ミラ・ジョヴォヴィッチ

シネマ365日 No.2501

え、なんですって?

サイコパス

アラスカ州ノームで多数の行方不明者が出ている。タイラー博士(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は町の不眠症に悩む患者たちを診ているうち、複数の患者の共通点に気づく。みな午前3時頃、白いフクロウの夢を見ていた。博士は催眠療法により彼らの記憶を辿ろうとしたが、ほとんど思い出すことができない。うち一人は「あれはフクロウではない」といい、正体に気がついた、と思えた途端錯乱状態に陥り、妻子を撃ち殺し一家心中する。博士の夫は2年前、目の前で殺害された。その時の状態を彼女自身覚えていない…映画の出だしはミステリアスです。期待させます。いや、させたのです。本作はモキュメントの形を取り、本物のタイラー博士さえ登場するのですが、どこまで本当かわかりません。しかしまあ、百歩譲っていいとしよう。勘弁ならんのはここから。一家心中事件が起きたことにより、ミラ博士(ややこしいのでこう書きます)に、催眠による殺人容疑がかかり、保安官は彼女を拘束する。そして夫の遺体の写真を見せ、こめかみにある弾丸の痕を示し、「現場にあったのはこの銃と遺体だけ。彼は自殺だった。睡眠中に殺害されたというのはあなたの幻想だ」と結論する▼それまでまことしやかに映画で語られてきたことは、え、なんですって? ミラ博士の妄想だったってこと? バカも休みやすみ言って。彼女は夫の自殺のショックで神経がおかしくなり、宇宙人拉致説を固執するに至った。ビデオに映った映像には聞き取れぬ音声が混じり、ミラ博士の古代言語専攻の学者によればシュメール語だという。シュメール史には大洪水や創世伝説も異星人が神だという伝説もある…で、ミラ博士は異星人拉致説を確信する。60年代から今まで解決されていない失踪事件は多くある。その現象には四つのカテゴリーがあり、第一種接近遭遇はUFOの目撃、第二種はUFOの痕跡の目撃、第三種は異星人との接触、第四種が異星人による拉致でもね、夫の自殺以後ミラ博士が錯乱を引きずっていたのだというなら、サイコパスは彼女自身なのよ。おまけに「信じる、信じないはあなた自身」なんて、カンヌの審査員みたいなこと言わせている。拉致して悪夢を見させて狂わせて家族を射殺させて、とくれば異星人というのは邪悪な存在という設定になるでしょう。「エイリアン」はその嚆矢ね。どうせワルなら猛毒性の魔性の吐息、画面全体を脳圧なエロスで窒息させる邪眼の怪物。それを見た人間は妄想空間に囚われ異界と交信することによって、われわれが営む健全な日常生活の亀裂に滑り込み、淫奔な欲望に身を捧げる…くらいのサイコパスにしたほうが、よっぽどミラの株は上がったわ。あなた二度とこんなバカな映画に出ちゃダメよ。