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特集「最高の悪役」

2018年6月21日

特集「最高の悪役2」⑥
シークレット・デイ(2018年 ミステリー映画)

監督 エイミー・バーグ

出演 ダイアン・レイン/エリザベス・バンクス/ダコタ・ファニング/ダニエル・マクドナルド

シネマ365日 No.2517

悪意と狂気に溢れた顔

0620_22最高の悪役

副題は「あの日、少女たちは赤ん坊を殺した」である。ジャケ写にはこうある。「全米が震撼したベストセラーミステリー小説を3大女優共演で映画化」。実際に映画を見てコピー書いたのかしら。「3大女優」は多分この3人を指しているのだろう。ダイアン・レインにも、エリザベス・バンクスにも、ダコタ・ファニングにも文句はない。ないが本作は、ダニエル・マクドナルドを抜きに成り立たない。彼女が主役だし憎々しいまでにイかれた18歳の女を圧倒的に演じている。ダコタ・ファニングはよくやった。エリザベス・バンクスもクールだしダイアン・レインもさすがだ。でも自分のことを「デブで孤独で寂しい女」といってのけるアリスこと、ダニエル・マクドナルドの前ではかすんでしまったのだ▼アリスが子供の頃から母ヘレン(ダイアン・レイン)は、ロニー(ダコタ・ファイング)にやさしかった。アリスは日記に書いた「ママは私をあきらめている。ママに嫌われる理由はたぶんパパのせいよ。ママの人生の最大の汚点はパパだから。パパも太っていたらしい。私を見てパパを思い出すの。ママは違う娘がほしかったのよ。私は(私が産んだ)自分の娘を愛する」。アリスは母親を奪ってしまうロニーを嫌い、支配的にふるまった。赤ん坊を誘拐し、ロニーを巻き込み、廃屋に置き去りにして死なせてしまう。現場にアリスのおもちゃがあった。アリスとロニーは少年院送り。7年後出所した。ロニーはパートでパン屋に勤め、アリスはダイエットのためといい、一日中散歩ばかりしていた。再び幼児誘拐事件が起こった。3歳の女児だった。先の事件を解決したポーター刑事(エリザベス・バンクス)はアリスとロニーが関係していると見る。アリスは否定し、ロニーのために、自分は無実なのに少年院に入ったと恨みを募らせる▼ポーターは前回の事件を調べなおす。少年院でロニーはトラブルばかり起こし、アリスは妊娠し子供を産んでいた。ヘレンにその事実を突きつけると「娘は15歳で職員に強姦された。出産後は里親に引き取られ、行く先は非公開で教えてくれない。でも子供はどこに行ったの、養子先はどことそればかり聞くので慰めようがなく、作り話をでっち上げた。町の西の上品な住宅街で、カフェオレ色の肌とカールした黒い髪の小さな女の子を見たと」。それ以来アリスは町中を歩いて我が子を探すようになった。そして偶然、家具店でそっくりな女の子を見つけ、誘拐し、少年院で産んだ子供の父親、ロドリゴの母に預けた。「ロニーに疑いの目がいくまで預かってもらうつもりだった」と供述した。ポーターは、女児はアリスの子供ではないと出征証明書を示す。ロドリゴの家から子供を保護し事件は落着する。しかし赤ん坊を死なせた罪の意識に苛まれ続けるロニーは風呂場で手首を切って自殺する。逮捕されたアリスをテレビは報道した「検察はアリス・マニングとの司法取引に応じ起訴を取り下げました。ロドリゴは誘拐罪で10年の服役となるでしょう」。報道陣を前に現れたアリスは堂々とブチあげる。「私は司法制度の犠牲者です。子供の頃、犯してもいない罪で逮捕され、7年間少年院で過ごし、レイプされ授かった子供は奪われました。今日、正義が果たされました。起訴は取り下げられ私を操った男が逮捕されました」。女に振り回されたロドリゴこそいいツラの皮であり、神経の繊細なロニーこそ犠牲者だった。検察と取引したのは母親だろうが、要はアリスだけが生き残ったわけだ。アリスのアップになった顔は社会の全てが気にいらず、美しい女や、幸せな人間を、踏みつけにせずにはおれない狂気と悪意に溢れている。そう思わせたダニエル・マクドナルドに比べたら、ダコタ・ファニングはもちろん、才知溢れるエリザベス・バンクスや、ベテラン、ダイアン・レインでさえ可愛らしい。