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特集「最高の悪役」

2018年6月22日

特集「最高の悪役2」⑦
ワイルド・スピードICE BREAK(2017年 アクション映画)

監督 F・ゲイリー・グレイ

出演 ビン・ディーゼル/ドウェイン・ジョンソン/ジェイソン・ステイサム/シャーリーズ・セロン

シネマ365日 No.2518

この女、水辺のワニ

0620_22最高の悪役

「ワイルド・スピード」8作目にして、シャーリーズ・セロンが謎のサイバー・テロリスト、サイファーとして登場します。彼女はこの直後に「アトミック・ブロンド」ですからアクションが続いています。体が動くうちにやっておく…わけでもないでしょうが、心配ないわ、リンダ・ハミルトンは「ターミネーター」新作に、70歳で挑戦したわ。要は監督の物語力次第なのよ。サイファーとはアノニマス(国際的ハッカー集団)さえ恐れる最強のハッカー。ハッキングで世界を操り、侵入しても何の痕跡も残さず、数秒で消える。彼女が狙うのがEMS(電子パルス砲)と核。これさえあればどこの国のどの街も戦場にできる。サイファーがいうには「核ミサイルを発射して超大国にわからせてやるの。私に逆らうと滅ぼされることを。宣言するわ。私は世界を相手に水辺のワニになる」▼水辺のワニとは「原始人が水辺に来たとき、子供がワニに襲われていなくなった。彼らは悲しむが教訓にもなる。同じ失敗をしない」よく意味のわからぬ例えですが、要は姿なき襲撃者ということでしょうね。彼女は世界を支配したいのである。アブノーマルな女って、セロンによく回ってきますね。チョー頭がよくて冷酷で、敗北を知らぬ。負けても撤退するだけで逃げたとはいわない。考えようによれば再起とリベンジの達人です。このシリーズ、まだまだ続くようですから、どこかでまたお目にかかれるでしょう。彼女がハバナの路上で車を故障したと見せかけ、ドミニク(ビン・ディーゼル)を待ち伏せしている。いじっている車はトヨタ・ランドクルーザーです。ドミニクはチョイチョイと触って直してやる。元から故障なんてしていない。サイファーは無表情に「私の部下になって。断れないはずよ」とスマホを見せる。後でわかりますが、ドミニクの恋人と彼女が産んだ息子を監禁しているのだ。ゆえにドミニクは彼が大切にする「ファミリー」を裏切り、サイファーの指示を受ける▼刑務所では「ファミリー」の仇敵デッカード(ジェイソン・ステイサム)とドミニクの右腕ホブス(ドウェイン・ジョンソン)が向かい同士の独房にいる。ホブスがトレーニングのため拳で壁を打っている。デッカードが冷笑し「お前の筋肉で出来るのはそれくらいか。情けねえな。俺は女の加勢なんかいらねえ」「お前と一対一の勝負をしたらそのケツを太鼓のように叩いてやるぜ」。この二人のタメ口が面白い。ホブス「なぜこんな犯罪野郎がここにいるのだ」デッカード「お前、脳みその血流不足か。もっとゆるい服を着ろ(囚人服のこと)」。サイファーは天才ハッカーの本領を発揮、ニューヨークの街を走る車という車がドライバーの制御不能となり、上空からは雨のように車がダイブしてくる。ドミニクの従い方が不十分だったという理由で、サイファーは残酷にも彼の眼の前でエリカを射殺する。今度疑わしい真似をしたら息子を殺すそうだ▼彼女は世界規模の破壊を企んでいますからやることが派手だ。潜水艦などちょろい、核ミサイルさえカウントダウンである。ファミリーのメンバーのラムジーはサイバー担当。潜水艦のスクリューを回し発進、そうはさせないとサイファーが逆回転で阻止する。嵐のごとくコンピュータを打ちまくり火花の散る一騎うち。サイファーはニヤリ「賢い子だけど、まだ未熟ね」。グオオ〜ンと氷を破砕して潜水艦は水に潜る。ラストはロシアでの決戦。氷上にファミリーご贔屓の車が勢ぞろい。ランボルギーニ、ダッジ・チャレンジャー、プリムス・ロードランナー、スバル・WRXST115、アイス・ラム、戦車まである。最後は凄まじい肉弾戦。サイバーテロと言っても勝負をかけるのは地上戦なのです。ドミニクの息子はデッカードが取り返し、サイファーは専用機からパラシュートで脱出する。ここからは「9」でどうぞということか。息もつがせぬカーアクションの売りは、そろそろ飽きが来たと思うのに、なんのその、ワイルド・スピードは突っ走るのだ。最後までかぶりつきで見たくせしてこういうのもナンだけど、いくら客が呼べる人気作品だとしても、シリーズもの・ファンタジーもの、コミックものにアディクトして、あまり顔を貸さないほうが女優はいいと思うとジャンヌ・モローが言っている。そういう点、流行り廃りの傾向に見向きもしないイザベル・ユペールなんか、好きだな。