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特集「感じのいい女優」

2018年6月24日

特集「感じのいい女優」ナオミ・ワッツ8日間②
ザ・リング2(2005年 ホラー映画)

監督 中田秀夫

出演 ナオミ・ワッツ/デヴィッド・ドーフマン/ダヴェイ・テェイス

シネマ365日 No.2520

悪魔も欲しがるカラダ

特集「感じのいい女優」ナオミ・ワッツ8日間

見たよ。イマイチね。中田監督の力こぶはわかったけれど、冗長だったわ。「ザ・リング」の焼き直しで128分は長すぎる。どこが焼き直しかというと、呪いと悲しみの少女サマラ(ダヴェイ・テェイス)の脅しの技に変化がなく、ひとつも怖くないことよ。鹿が群れで現れ、レイチェルと息子のエイダン(デヴィッド・ドーフマン)の乗った車を潰すシーンくらいかな、サマラの新しい呪いのテクが加わったのは。ラストで古井戸を、先によじのぼるレイチェル(ナオミ・ワッツ)を追いかけ、シャキシャキ這い上がっていくところなんか、五輪選手顔負けのスピードだったじゃない。終盤に入ってやっと映画は「走り出した」って気がしたけど、それまでがタルいわよ▼事件から半年、レイチェルは恐怖体験を振り切るように、シアトルからオレゴン州の片田舎、アストリアに引っ越し、地元新聞社「アストリア日報」に就職する。オーナーはマックス。父の跡を継いだ若い社主だ。社説担当だが、レイチェルが校正で大幅に赤を入れ、校正ではなく改稿じゃないかと文句をつけるが、密かに彼女に気がある。アストリア日報は父兄会、交通事故、猫の救出劇が紙面に載るのどかな地元紙だ。ところがある日、高校生の変死体が発見された。町は大騒動。遺体を確認したレイチェルは、顔の歪み方にサマラの仕業だと確信「また始まるの!」と叫ぶ。途端に遺体はサマラに変わり、ガバとレイチェルの腕をつかみ「見つけたわ」と凱歌をあげた。サマラ嬢再び。しかし、このお嬢さん、何が不満でレイチェル親子に付きまとうのですか? 古井戸から助け出され埋葬され、怨念は晴れたはずなのに、と思うのは所詮他人事の解釈で、サマラにしたら「冗談じゃない。私の本当の目的はこれからなのよ」ってことね。それは何か。彼女はエイダンに乗り移って生身の人間の体を得たいのです。憑依したいのです。サマラは母親に殺されるという、残酷でかわいそうな身の上だったから、レイチェルも同情して救出してあげたのですが、アストリアくんだりまで自分たちをサマラが追いかけてきた目的が、息子を乗っ取ることだとわかったら話は別。どんなことをしても息子を守る、サマラには渡さないと決意する▼エイダンは賢く繊細な男の子でして、サマラという悪霊に襲われながらも抗戦する。でもなにしろ相手は人間ではありませんから、普通の手段は通用しない。サマラに散々攻撃されたエイダンの体には青あざができ、極度の低体温に襲われ、精神科医は、レイチェルのウツによる児童虐待だと診断してレイチェルは孤立する。レイチェルはエイダンを病院に置いたまま、後の面倒をマックスに頼み、調査再開。サマラが養女となった島の牧場に行く。空き家となった家の地下室で、サマラの古いアルバムを見つけ、実の母親エヴリンを精神病院に訪問する。エヴリンがシシー・スペイセクです。「キャリー」(1976)が代表作ですが、「歌え!ロレッタ愛のために」で、アカデミー主演女優賞を受賞しています▼エヴリンはレイチェルが「死者を蘇らせたせいだ」という。どうしたらいいと必死で頼むレイチェルに「いい母親でいて。子供に耳を貸して」そしてサマラは「水を怖がった」とヒントを与える。ここからがレイチェル対サマラの一騎打ち。前作同様、ゾロリとテレビから出てきたサマラの腕をレイチェルは逆につかみ「息子は渡さない。代わりに私を連れて行って」とテレビの中に飛び込みます。するとそこは再び古井戸の中。頭上には小さな空が見えている。あそこからサマラは出てきた。蓋をすれば閉じ込められる。そうレイチェルは考え、井戸から脱出するべく懸命によじ登る…え、それだけ。ちょっと解決が単純すぎない? しつこいサマラが、石の蓋だけで引き下がるのか。成仏するのを拒否して、生身の人間の肉体を得ようなんて、西洋にはユーレイというより悪魔憑きが多いわね。そうか、私たちの肉体って、幽霊や悪霊が羨むくらい、何が何でもとり憑きたいくらい、魅力的な存在なのだ。乗っ取られてたまるかい。レイチェルでなくてもそう思う。エイダンのデヴィッド・ドーフマンはUCLA13歳で、ハーバード・ロウスクールに18歳で入学しました。サマラのダベイ・テェイスはメークを取れば23歳の若くてきれいな女優さんで、声優として活躍しています。