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特集「新宿2丁目を連れて歩きたいボーイフレンド」

2018年7月11日

特集「新宿2丁目を連れて歩きたいBF4」③
ニコラス・ケイジ
ヴェンジェンス(2017年 社会派映画)

監督 ジョニー・マーティン 

出演 ニコラス・ケイジ/アンナ・ハッチン 

シネマ365日 No.2537

任務を遂行したまで 

新宿2丁目を連れて歩きたいBF4

法で裁けない、あるいは法が裁かない悪党を裁く、復讐の処刑人というテーマでは、アクションやサスペンスのジャンルでいくつもの名作があります。すぐ思い浮かぶのはチャールズ・ブロンソンの「狼よ さらば」から始まる「復讐の天使ポール・カージイ」シリーズ、珍しいアルゼンチン映画で「瞳の奥の秘密」も傑作でした。自宅でレイプされ、殺された新婚の妻。夫は終身刑の判決にもかかわらず、上層部の圧力で釈放された犯人を独自に捉え、監禁という終身刑を自ら下す。本作は原題もズバリ「ヴェンジェンス」(復讐)。ニコラス・ケイジが演じるジョンはナイアガラフォールズ市警の刑事。捜査相棒を殺され失意の日々。バーでティーナ(アンナ・ハッチン)に出会い、明るいティーナにどことなく惹かれる。その夜彼女は娘と帰宅中、集団レイプに会い、娘の目の前で無残に犯される。重い後遺症を引きずって退院、犯人4人を起訴したが、被告側はやり手の弁護士を大金で雇い、レイプではなくティーナの売春であり、彼女が行為後、料金を釣り上げたためのイザコザが原因だと力説、釈放となった母娘にとってあまりにも残酷な判定にジョンは敗北感を噛みしめる。犯人らは母娘につきまとい、卑猥な嫌がらせを続ける。ジョンはそれとなく警護していたが、ある夜、ティーナの恋人が犯人の一人に暴行を加えられるのを目撃し、つかつかと近寄りモノも言わず額をブチ抜く。事情聴取で彼は正当防衛を主張し「警察官としての任務を遂行した」と述べた。彼の場合、妻や恋人が殺されたのではなく、ティーナとは酒場で一度会ったきりだ。ただただ一方的に被害を被り、人生をムチャクチャにされた母娘を犠牲者のままにして、さらに踏みにじる奴らを許せなかっただけだ。ジョンは犯人の二人目と三人目をナイアガラの上に呼び出し、簡単に撃ち殺し遺体を崖から蹴り落とした。四人目はモーテルにおびき寄せ、遺書を書かせてこめかみを撃った。犯人は全員ジョンに葬られた▼弁護士はジョンに「わたしの弁護が必要になるかも」と、暗に殺しはお前の仕業だと匂わせるが、「あなたこそ、わたしが必要にならないように」と切り返す。ティーナ母娘はカリフォルニアに引っ越すことにした。車を出す日、ベシーがどうしても会いたい人がいると母親を説得し、出動しようとしているジョンに別れを告げに行く。「怖かったわ」というベシーにジョンは「怖いこともショックなこともある。でもやがて忘れるよ。全部じゃなくても前に進める程度には。ここを去るのは賢い。俺は娘を持ったことはないが、もし将来娘ができたら、君みたいに育つといい」。母娘はジョンのしたことを何も知らずに町を去る。愛のためでも恋のためでもなく、すべてを自分の腹ひとつに収め「警察官としての任務を遂行した」としか言わなかった、ジョンのダンディズムに一票。