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特集「新宿2丁目を連れて歩きたいボーイフレンド」

2018年7月14日

特集「新宿2丁目を連れて歩きたいBF4」⑥
ジェイソン・ステイサム
ハミングバード(2014年 社会派映画)

監督 スティーブン・ナイト 

出演 ジェイソン・ステイサム/アガタ・ブゼク 

シネマ365日 No.2540

贖罪の道を選ぶ男女

新宿2丁目を連れて歩きたいBF4

いつものジェイソン・ステイサムの映画とどうも違うなあ、と思っていたらバリバリのイギリス映画なのね。ジェイソン・ステイサムは大暴れするどころか、戦争のトラウマを引きずった元特殊部隊の兵士、ジョゼフだ。戦場で仲間が5人殺され、報復として民間人5人を殺害。軍方会議を逃れるため病院を脱走しホームレスとなった。ある夜、ショバ代を集めに来るポン引きにボコボコにやられ、豪華マンションのペントハウスに逃げ込み九死に一生。住人は半年留守にしているとわかり、彼になりすましお金を引き出し服装もパリッと。ダンボール箱の中で、かばい合って暮らしていた少女イザベルがギャングに連れ去られ、行方を探す。貧しい人たちの救済ボランティア、修道女のクリスティーナ(アガタ・ブゼク)と出会った。彼女は体操選手を目指していた少女時代、体操教師に繰り返しレイプされ、18回目のときに殺害、修道院に送られた過去があった▼ステイサムが渋い影のある男を演じてとてもいいですよ。スティーブン・ナイトの監督デビュー作です。彼は脚本で「イースタン・プロミス」「マダム・マロリーと魔法のスパイス」「セブンス・サン 魔法使いの弟子」「マリアンヌ」。本作のあと「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」を脚本・監督しました。道理で、ハリウッド・テイストとは違うはずね。ジョゼフは生活を改め、体を鍛え、水を飲み、レストランの厨房に就職する。言いがかりをつけに来たチンピラをあっさり片付けたことから裏社会の仕事を引き受けるようになる。イザベラは風俗店に売られドラッグでズタズタになった挙句、セレブの変態客がサド行為で殺してしまった。ジョゼフは犯人を突き止め、ビルの屋上から真っ逆さまに突き落とす。クリスティーナは憧れのバレリーナ、ジェリンスカの講演を見るのが夢だった。ジョゼフが寄付してくれた大金の中から、院長の許可をもらい500ポンドだけ講演チケットを買うために使わせてもらう。ジョゼフと行くつもりだった▼カトリーナは娘のために写真を残したいというジョゼフのために何枚か写真を撮ってあげる。「いい人に見えるかい」と訊くジョゼフに笑顔を返す。二人は惹かれあう。ペントハウスの主が帰ってくる日、一夜を過ごした二人はそれぞれの道を選ぶ。クリスティーネはロンドンを遠く離れたアフリカへの赴任を希望し、ジョゼフは元のホームレスに戻る。家主にためていた家賃を払い、ペントハウスの主にも無断借用した礼金を払い、ギャングどもの組織は警察に通報した。所詮一緒におれない二人は別れ、別の人生を歩むと決めた。このあたりの辛口がいいですね。ロンドンの裏町に紛れこむジョゼフをハミングバード(無人偵察機)がキャッチした。「逮捕せよ」の指示が出る。そこでエンド。ハッピーエンドにはほど遠いですが、自分を許されざる者とみなすジョゼフと、献身の道を選ぶカトリーナの、贖罪の意識が映画をすがすがしくさせています。アガタ・ブゼクはポーランド出身。透明感のある女優で「レンブラントの夜警」などに出演しています。