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特集「偏愛力」

2018年7月18日

特集「偏愛力4」③
リゾーリ&アイルズ/シーズン5(2015年 テレビ映画)

出演 アンジー・ハーモン/サッシャ・アレクサンダー

シネマ365日 No.2544

女子社会のストレス 

リゾーリ&アイルズ/シーズン5(2015年 テレビ映画)

 2010年7月に放映が始まり、本作の「シーズン5」は2015年6月から2016年3月の分です。74エピソード、通しでざっと6070時間。「リゾーリ&アイリス」「リゾーリ&アイリス/同性婚」の2本が本欄で既出ですが、それにしても足掛け7年にわたり、見つづけてきた「偏愛力」をなんといおう(笑)。ヒロインふたり、刑事のリゾーリ(アンジー・ハーモン)と検死官アイルズ(サッシャ・アレクサンダー)のパーソナリティが女性にも好感を持たれること、職場の同僚とのチームワーク、親子・姉弟ら家族の助け合い、各エピソードにはめ込まれた時事要素など、長命の理由はいくつもあるでしょうが、ふと「女子社会のストレス」もあるのではないか。というのも、この映画を選ぶときは決まって、今から問題定義は勘弁してくれ、後味のいい映画を見てさっさと寝よう、という夜だったからです▼特撮山盛りの「ハリポタ」も所詮騙し絵、二度見る気はしない、マーベルの大ヒットも、オープニングから5分でラストが見えて退屈。単純ではあるがそれなりに内容があり、バカバカしいけれど投げ出さなくていい、そして健全な日常性という大いなるマンネリズムの安心感。舞台は警察の職場という日々の出来事を扱っています。宇宙に出発するわけでも歴史的発見発明の瞬間でもない、時空を超越したオカルトもエクソシストもなく、ゾンビとも戦争せず、絶望の未来社会を救うスーパー・パーソンもおりません。毎日きちんと普通の勤め人が出勤し、あいさつし、仕事の進展を確かめ、苦境に陥った同僚と助け合い、事件解決に努力する。おかしいことに、ヒロインふたりはロマンスに無縁…ともいえないのですが、どっちもうまくいった試しがない。やさしく強く、仕事に理解のあるデキのいいボーイフレンドと、相思相愛になっても、何らかの理由で泣く泣く別れることになる。案外これが長命の理由かも。だって散々現実でストレスを抱えた挙句、甘い囁きの一つも聞く暇がない、いう暇もない女たちが、毎回ラブラブを見せつけられてどこが面白い。腹の中で叫ぶだろう「バ〜タレ、そんなうまいこといくか」。ラブロマンスを女が喜ぶと思うのは男の発想であって、恋愛の錯覚から我に返り、情報氾濫社会と多様すぎる選択肢に、ともすれば自分を見失う危機と背中あわせにある女たちは、愛を疑い、戸惑うのに慣れ、無邪気なエンドを許容するとしても、多少は「噛み応え」のある中身でないと、支持できなくなっています▼他に思い当たるのは、やはりシスターフッドですね。リゾーリとアイルズは血の通っていない姉妹だといえる。どっちもアタマがよく仕事熱心で、リゾーリはアイルズの検死官としての、アイルズはリゾーリの刑事としての能力に全幅の信頼をおいています。くどくどした説明はなく、どんなときにもお互いが絶対の味方だと信じさせる、短いセリフのやり取りはかなりセンスのいい脚本です。そんなことを考え合わせると、本作は続くべくして続いた作品と思えます。シーズン7を持って最終回となるそうです。アイルズがゴールインしているか、リゾーリがボストン警察の署長になっているか、わかりませんね。