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コラム

2011年8月1日

米の進化に無限の可能性求める

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戸田 博章さん 67歳
株式会社トウバン代表取締役社長

「米から出発するんだ!!」

「実家が食料品店を営んでいてね。それで、少し外で『奉公』してから継ごうと思って、入ったんです」。高校を卒業し、東播米穀株式会社(現・株式会社トウバン)に入社。当初、5年くらいで実家に戻る予定だった。「それが50年ですわ」。米一筋に半世紀。平成12年には現職に就き、会社を牽引し続けてきた。
米をめぐる状況は決して安泰とは言い難い。食の欧米化などの影響により、米の消費量は年々減少。昭和37年に118.3kgあった1人当たりの年間消費量は、平成10年には65.2kgまで落ち込んでいる。
この流れを受け、同社も一昨年、社名を現在の株式会社トウバンに変更し、総合食品メーカーとして歩み始めた。「今までは取り扱い全体の95%が米でしたが、これからは米を6割にして、4割をその他の食材や商品にシフトしていこうと考えています」。現在、沖縄の黒豚や米粉を主材としたロールケーキなどの食品はもちろん、化粧品にも販路を拡販し、「徐々にですが、手応えを感じてきています」と、確かな基盤を作りつつある。
一方で、「わが社は米から出発するんだ」と戸田社長は言い切る。例えば、前記したロールケーキの他、なんとアイスクリームが好評。「お米のポツポツ感が受けてるんですよ」。
また化粧品は、山田錦を卸している酒蔵から「残った酒かすを有効活用できないか」と相談され、その成分を研究。当初は入浴剤にするつもりだったが、酵母がたっぷり残った酒かすのエキスは「入浴剤ではもったいない、むしろ化粧品がいい」と、開発に至ったものだ。通販限定の販売だが、肌に潤いを与え、アレルギーに悩む方でも使えるような化粧品と評判も上々だ。
もちろん、米からの加工の開発にも積極的に取り組んでいる。同社の看板商品「美・多・米(ビタマイ)」は福井県産コシヒカリを特注の機械で精米した胚芽米で、白米と同程度の味と色を実現した。
「米は国内で数少ない自給率100%の食材です。将来的にも安定供給が可能。それに、米は捨て所がない。米粉にしたり、建材用の糊に加工したりできる。酒かすも有効活用できる。日本人の暮らしは米が支えているといっても言い過ぎではありません」。
昨年秋、黄綬褒章を授与された。「皇居に入った途端、空気が違いましたね」。叙勲によって、気持ちも新たに引き締まったと戸田社長は笑う。「どこまでも、米の底力を信頼し、進化させていきたい」。戸田社長の挑戦は続く。

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