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コラム

2011年8月1日

家族を守れる家をつくりたい

伊櫻 隆史さん 46歳
株式会社サンリツホーム代表取締役社長

自分の信念を貫き続ける、その理由

「子どもの頃、不動産のチラシを見るのが大好きでね」。伊櫻社長の豪快な笑い声が事務所に響く。威圧的ではなく、親しみを感じさせる笑い声。
「狭い家だったんですよ。昔で言う『文化住宅』の狭いやつ。だから、チラシを見ながら『いつかこんな家建てたげる』と親に言ってました」。この家はいいな、この部屋はちょっと狭い、庭がほしいな…自身でチラシ上に「増築」を書き足すほど、不動産のチラシを見ていた少年。大人になり、住宅業界へ進んだのは自然な流れだった。
「でも、当時の戸建て建築はえぇかげんでした」。自治体に提出している設計図と実際に建てられた家の間取りが違ったり、検査も充分ではなく、安全性に疑問符がつくような家ばかり建てられていた。かといって、安心して住めるしっかりした家は高額だった。
「だから、独立しようと考えてました」。住む人が安心して暮らせる家をローコストで。その決意を決定づけたのが、阪神大震災だ。
「友達を何人か亡くしましたし、わたしも震災の2週間前に購入した家が一部壊れてね」。平成10年、32歳で独立。以来、『SE工法』という強度の優れた木造建築工法を用い、600件以上の物件を手がけてきた。テレビCMをせずモデルハウスも建てず、ローコストに徹しつつ安心して暮らせる家を建て続けてきた。自社で建て、実際に人が住む家で見学会を開き、来訪者には「来て頂いてるんだから」と、家づくりに役立つ知識を惜しみなく提供している。
ただ、ここで疑問が沸く。購入者のみならず、自社で建てるかどうかわからない来訪者にまで、どうして親身になれるのか。伊櫻社長の答えは明快だった。
「まずは、うちのことを知ってもらわんと」。
家に対する考え方・価値観は人それぞれ。だから、まずは自分たちのことを知ってもらう。建てる建てないの話はそれから。自信をもっているが、押し売りはしない。それどころか、「こちらからやめた方がいいと言う場合もあります」。
例えば、金額面。ローコストとはいえ折り合いがつかない場合もある。そんなときには、お客様のキャパにあわせた最善の家探し・部屋捜しを教える。家計を逼迫させ家族が辛くなるようなローンを組ませては、家族を守る筈の家が不幸を呼びかねない。そんなこと、絶対にさせたくない。
「もっとコストを安くできないか。それがこれからの目標だね」
家に帰れば3人の子どもがいる。「挨拶をしろ・嘘をつくな」が教育方針。その教えは、わが子にも、そして社員にも。どこまでもシンプルに徹する。