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2011年10月26日

自分の親だと思ってさせて頂きます

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松澤 典央さん(47歳)
あんしん館 代表取締役

葬儀は亡くなった人の思いが大事と痛感

 親族の葬儀で高額の請求をされ、後になって後悔した。よく聞く話であり、実際に体験された方もいるだろう。リーズナブルな料金でクオリティの高い葬儀を実現した「あんしん館」の代表取締役・松澤典央さんも、自身の経験から同社を設立した。
 「以前は建売住宅の販売をしていました。当初は『とにかく家が欲しい』という人ばかり。『こんな家が欲しい、あんな間取りがいい』という人はいませんでした」。それが時代の流れか、情報を仕入れ、自身の希望を口にする客が増えた。業界の人間でも知らないような建材やメーカー名を口にする人も現れる。『建売』から『プラン売り』へと変わっていった。そういった折、松澤さんの身内が亡くなり、葬儀に立ち会う。
 「(葬儀会社は)以前の不動産業界と同じやなと感じましたね」。ユーザーである遺族の要望に応えるのではなく、業者主体の式。流れ作業で、金額も不明瞭で高額。しかし、「(情報を)知ること自体、縁起が悪いという風潮がありましたから」。遺された家族たちには情報もなく、業者の言われるがまま。葬儀は遺族主体、亡くなった人の思いが大事と痛感し「この先、不動産のように『家族(ユーザー)主体』の時代がくると思い、この会社を立ち上げました」。

安いだけではなく『クオリティ重視』。亡くなった人や家族の立場に立った葬儀を

 松澤さんは他業種からの転身。葬儀業界に従事し独立したわけではない。そのため料金は、他社の金額どうこうではなく「当初、ウエディングでかかる費用の半分より少し安いくらいがいいかな、と設定しました」。その後も見直しやプランの充実で料金をリーズナブルにしてきた。ただ、「金額を下げるのはここまで。価格競争をするつもりはありません」。安いだけの葬儀を提供しているわけではない。
 「葬儀社は、家人ができないことを代行しているサービス業。クオリティ重視です」。安いからこの程度だろう、と思われてはいけない。家族の立場に立ち、品質管理と社員教育を徹底している。
 「社員には『自分の親が亡くなった時にどうしたいか』を考えて動くよう指導しています。例えば、遅れていらした会葬者がいたとします。その方がどこに座ったらいいのか、どうしたらいいのかわからずにいるのに放っておかれたら、どう思います? 自分の親の葬式でそんなことをされたら、ちょっと許せないでしょう。そういった細かなところまで気を配るように心がけています」。スタッフは何回目、何十回目の葬儀でも、家族にとっては初めてのこと。慣れるのではなく、毎回が自分の親の葬儀だと思う。そうすれば、家族も会葬者も気持ちよく故人を送れる。
 プランについても、白木の祭壇に白黒の横断幕といった型どおりの選択肢しかないのでは、故人らしい葬儀、家族が心置きなく見送れる葬儀はできない。「ゴルフ好きの方ならウェアとバックを準備するとか、祭壇に(故人の)好きだった花を多くあしらうとか、家族の立場に立ち提案していきます」。自分の希望を言ったら料金を追加されると思われがちだが「私どもの場合、可能な限り選択肢を広げるようにしています。葬儀は故人を送る場ですが、遺された人の『想い』でもある。その想いを、プランやスタッフのサービス、雰囲気作りでお応えしたいですね」。
 同社には自分自身や、まだ存命の親の葬儀について相談にくる人が多くいる。「遺していく家族に迷惑をかけたくない、金銭面で苦労をかけたくないという方や、1度葬儀で失敗したから2度目以降は同じ失敗を繰り返したくないという方が多いですね」。
松澤さんが感じたように、葬儀業界の情報も多くなった。高くて業者主体の葬儀社や、安かろう悪かろうの葬儀社は選ばれない。相談者の多さが、同社と松澤さんのやり方の正しさを示している。

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