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アニマルハート

2011年11月7日

「ラス・メニーナス」(宮廷の侍女たち)

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ベラスケス・画

瞑想する犬

 「絵画の中の絵画」とモネが絶賛した「ラス・メニーナス」。カルロス4世一家を描いたベラスケスの傑作です。この絵の右下に大きな犬がうずくまっています。目を閉じて、そう、物思いに沈んでいるようなのです。王子が足をかけてふざけても、相手にすらしない。 
 犬を描いたのは王への忠誠の表れという解釈もありますが、ベラスケスという人は、自分を信頼しきって彼にしか肖像を描かせなかったほどの王に、忠誠心を犬に代弁させるようなおべんちゃらをする軽い男ではありませんでした。他にわけあってこの犬を描きたかった、と考えるほうが自然です。
 そう思って眺めると、華やかなロイヤルファミリーであるはずなのに、この絵全体にどこか憂愁がたちこめています。一家にまつわる不幸を、ベラスケスは長年の宮廷勤務で見てきました。   
 王家存続のため、濃い血の結婚を繰り返し健康な男女が育ちにくかったのです。ここに描かれた一族も結局は後継者を失い、栄華を極めたスペイン・ハプスブルク家は断絶します。いずれくる崩壊の予感。画家は瞑想する犬に、その思いを託したのかもしれません。

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