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2011年11月18日

「美しすぎる住職」の素顔 ―三浦明利さん・28歳―

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浄土真宗本願寺派 光明寺 住職
三浦明利さん 28歳

吉野から発信するシンガーソングライター

 奈良県吉野郡大淀町。近鉄下市口駅近くにある浄土真宗本願寺派・光明寺の住職・三浦明利(みうらあかり)さん(写真)。『美しすぎる住職』と聞いて、ピンとくる方もいるだろう。2009年に某バラエティ番組で紹介され、化粧品のCMにも起用されている。
 「正直、ちょっと恥ずかしかったです。でも、御門徒様から『何事も経験』と勧められ、出演させて頂きました」。
 

 三浦さんは光明寺の一人娘。子供の頃からピアノやギターを習っていた。「おもちゃの延長線上とでも言いますか。とくにギターは楽しくて」。中学に入り、ギター仲間ができる。「楽しんでいる私たちを見て、音楽の先生も放課後に教室を開放してくれました」。高校進学も「軽楽部がある学校というのが第一条件でしたね」。バンドを組み、活動。コンテストに応募するためオリジナル曲を作るようになり、ますます音楽の魅力にのめり込んだ。
 ただ、音楽活動を応援してくれていた母親から「曲を完成させるには歌うことも大切。あなたは歌った方がいいと言われました」。そこで高校卒業後、大学に進学して軽音サークルに入るときは、「ギターはできないけど歌いたい」と、ギタリストであることを隠してボーカル初心者として入部した。「でも、ライブの時、ギターを弾けないはずの私か、いきなり(エレキギターで)『ギュイィィィン!』と弾いた時には驚かれましたね」。
 その後、結成したバンド「MogaHoop」が快挙を成し遂げる。結成3か月余りで全国規模のオーデションにおいてグランプリを獲得。インディーズとはいえCDも発売した。「本当に音楽性の高いメンバーがそろっていて、今でもあのバンドで活動できてよかったと思っています」。
 しかし、転機は突然訪れる。父親が一身上の都合で住職を退任。母親も大病を患い、手術を受けたばかりだったため、音楽活動を休止して住職になることに。「元々(両親の姿を見て)楽しそうだったので、幼いころからお寺の仕事は憧れていました。それに、高校の時にインドの寺院を巡らせてもらい、仏教が多くの方々の『心の拠り所』になっているのを見て、自分も仏法のもとで生きていきたいと感じていました」。
それでも、あまりに急すぎた。前住職も熟慮の末の行動だったであろうが「次のCDの話がありましたから、メンバーには迷惑をかけ、本当に申し訳なく思っています」。大学院も休学を余儀なくされた。
 「でも、そのときにバンドのメンバーが『明利にとって今一番大切なのはお寺を守ること。私たちのことは気にしないで、今やるべきことをやって』と背中を押して、私の心を救ってくれました。音楽性だけではなく、人としてもあのメンバーと活動できて本当に感謝しています」。
 住職になってからの1年間は職務に専念、音楽活動はほとんど行わなかったが、周囲から勧められ『美しすぎる住職』としてテレビに出演。その際、自身のオリジナル曲『ありがとう』を歌った。「そうしたら、音楽をやっていたときの仲間やファンの方から『元気にしてたかっ!』って、たくさん連絡を頂きました」。切れていた縁が復活し「歌で感謝の気持ちを表せて嬉しかったです」。三浦さんの心もほぐれた。
 「それまでの1年間は、自分ひとりでお寺を守っている気になっていたんですね。でも、そうじゃない。住職として未熟な私を支えてくれる母や、ありがたい言葉をくれる友達、私を育てようと見守って下さる御門徒様。多くの人の温もりを改めて感じました」。
 自分が感じた感謝の心を、歌いたい。三浦さんは音楽活動を再開し、自身の寺や各地で演奏活動を行った。「ただ、お寺の活動が本来の職務ですから、なかなかたくさんの演奏会は開けません。それに、聴きたいと思った人がいつでも聴ける、その方の傍に寄り添えたらと思い、『ありがとう』のCDを制作しました」。友人たちとともに作り上げ、去年の夏にインディーズで発売した。「みんなでワイワイと楽しみながら作りました」。そして、『ありがとう』は今年の夏、アレンジを変えてメジャーでも発売された。
 「(メジャーCDも)同じメンバーで作りました。レコード会社の方も『住職としての活動の邪魔にならないようにメジャーデビューしませんか』と仰って下さったので、無理のないように、自分の思いを込めて作れました」。周囲に支えられ、ここまできた。『ありがとう』を含め、三浦さんの曲に感謝の気持ちが込められているのは、多くの人から愛され、助けられてきたからなのだろう。
 「休学していた大学院も、昨年1年間、しっかり勉強して修了できました。先生と、支えてくれた母に感謝しています。これからも住職の務めを全うできる今のスタンスで、仏法や多くの方々から頂いた『気づき』や『感謝』の気持ちを歌で表せていけたらと思っています」。

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