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教育

2011年12月5日

郷土の偉人を学びつつ、冬の空を体感しよう

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善兵衛ランド

貝塚市・善兵衛ランド

 日本の天文学などに多大な功績を残した岩橋善兵衛(1756-1811)を記念した天文施設が貝塚市にある。その名も『善兵衛ランド』。同館の森館長に話を聞いた。
 「善兵衛は江戸時代、寛政5年に貝塚脇浜新町で魚屋の二男として生まれました。子どもの頃から利口で器用だったようで、自然科学にも関心が深かったようです」。当時、家の跡を継ぐのは長男。そこで善兵衛はメガネ職人となり、生計を立て始めた。「レンズを磨く毎日の中で、善兵衛は星空に興味を持ち、レンズを使って空を見たんですね」。それから、試行錯誤で望遠鏡作りを始める。オランダからの渡来品を参考にしながら、独学で製作。凸レンズを2枚用いて、見えるものが反転しないよう工夫するなど、独自のやり方で望遠鏡を作り上げた。

「当初、善兵衛は(望遠鏡を)竹で作っていましたが、持ち運ぶには重過ぎました。それを善兵衛は一閑張(いっかんばり)で作り、改善したんです」。紙を筒状にして幾重にも重ね、その上から漆を塗って望遠鏡を作り上げた。スライド式で軽くて持ち運びに便利、性能も良いと評判になり、精密な日本地図を作った伊能忠敬も愛用していた。「領主からもお声がかかり、そこで善兵衛は岩橋姓を受けました。また、京都にいる幕府の天文方などと天文調査などもしています」。月や金星、火星、木星、土星などを観察し、内惑星・外惑星の違いまで発見している。
 「当時、日本では天動説が一般的。しかも西洋の星座ではなく中国の星座を使っていましたから、今の考え方とは違う点もありますが、星の位置が正確にわかる早見表(平天儀)なども作っていますし、現代の星の配列と同じように記されている部分もあります」。その善兵衛が作り出した天体観測のための器具を、同館では多数展示。一閑張で作られた望遠鏡はあつらえが美しく、まるで芸術品だ。

 「善兵衛の製作物だけではなく、当館には現代の天体観測に関する資料やオリジナル器具なども揃っています。60センチの反射望遠鏡(写真)は、来館者すべての方に見て頂けます」。一般の人に空の面白さを知ってほしいと、同館では毎週木・金・土曜日、夜21時45分まで開館※。本格的な天体観測を入場料無料※で楽しむことができる。「昼には太陽のプロミネンスや黒点、あるいは金星の観察などもできます。昼の星、四季の夜空、月や惑星…とにかく空を眺めて頂きたい。そのきっかけに、ぜひいらしてください」。
 なお、12月には月食(10日)とふたご座流星群(15日)という天体ショーが繰り広げられる。「流星群の際に『どっちの方向を向いていいのかわからない』といった方もいらっしゃると思います。みんなで見て、一緒に楽しみましょう」。

※ 休館日になっている場合あり。また、団体は有料。詳細は同館ホームページ参照

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